「スライダーのキレはいいね…」「でもちゃんと狙った所に行かないんです」「だろうね…肩の開きが早いから、狙った所に行かないんだ…投げる時に後ろに壁を意識すれば、コントロール良くなると思うよ」「壁…ですか?」「うん」「解りました…意識してみます」と言うとまた投げた。2、3球投げると肩の開きがなくなり良くなった。「いいね…その感じ…」明らかに良くなった。「アドバイスありがとうございます…何か良くなった気がします」「お礼なんていいよ…それよりもう一つ変化球覚えない?」「もう一つですか?」「うん」「どんな球ですか?」「内角をえぐるシュートだよ」「シュート…」「ちょっと投げるから受けてみて?」「はい」俺は決め球だったシュートを投げた。「うわっ!?凄ぇ威力っ!」「これ僕の決め球だったんだ…覚えるかい?」「はいっ」俺は投げ方を伝授した。利彦は投げた。まぁまぁの曲がりだった。「こうゆう感じで投げるんだ」と利彦の腕を掴み、指先の使い方を教えると「なるほど…こうゆう風に力入れるんだ」と言った。
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