親父さんの言葉に俺は佇まいを直し「ありがとうございます…こちらこそ宜しくお願いします」と頭を下げた。紗英も「お父さん…ありがとうございます」と言った。その直後「ただいまぁ」と男の声がした。男は居間に来るなり「あっ!?寿司食ってる」と言ってから俺に気づき「あれっ?この人誰?」と言い「もしかして姉ちゃんのコレ?」と親指を起てた。「こらっ利彦っ!ちゃんと挨拶しなさいっ」と母親が怒った。「弟の利彦です」と言ってお辞儀をした。俺も「前田匠です…宜しく利彦君」と挨拶すると、利彦は「お母さん俺のは?」と言った。「あなたのはお勝手にあります」と言った。利彦はそれを聞くと「ごゆっくり」と言って姿を消した。「すみませんね…お恥ずかしい所を…反抗期なんですあの子…」と言った。「お幾つなんですか?」「もうすぐで17です」と言われ俺は納得した。その後利彦は部屋から出て来なかった。その日はそのまま泊まり紗英の部屋で寝た。次の日の朝、起きて着替えてから下に降りると、庭からブンッブンッと音が聞こえた。
※元投稿はこちら >>