薄暗い廊下を紗英に先導されて歩いた。太く黒ずんだ柱を見て(凄いなぁ)と思った。やがて紗英が廊下に座り襖を開け「ただいま帰りました」と言って頭を下げた。俺も慌てて座り頭を下げた。「どうぞ中に」と言われ「失礼します」と言って中に入った。俺はまた頭を下げ「初めまして…お嬢さんとお付き合いさせて貰っている前田匠です」と言うと「顔を上げて下さい」と言われれ顔を上げた。「紗英の父親の森利光です」と挨拶された。父親の見た目は想像してたのとは違い、色白で痩せていて厳格とはほど遠かった。俺は少しホッとした。親父さんは俺を見てニコっと笑い「遠い所よくお出で下さいました」と言った。その笑顔に俺は心地よい風を感じた。するとそこに母親がお茶を持ってきたので、俺はお土産を出し「つまらない物ですがどうぞ」とテーブルの上に置いた。「あらぁありがとうございます…悪いですね…気を遣わせてしまって」と母親は言ってそれを持ってまた奥に消えた。その後はご両親に色々質問され俺はそれに答えた。
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