第2話 性なる夜
…
「いいよ。何も言わなくて。
だからちょっとアタシの話聞いてくれる?」
真里は過去を語り始めた。
「ホントはずっと前に話しておけば良かったね…
実はアタシの家、母子家庭でね、母親は毎日違う男引っ張り込んでて、誰がアタシの父親かわからなんだ…
アタシが小学3年の時に再婚して、新しい父親ができたけど、この父親が大嫌いでねw
酒に酔うと暴力振るったりして、アタシもだいぶ殴られたよ。
母親も暴力に耐えかねて離婚したんだけど、その暴力オヤジと母親の間に産まれたのが昨日俊が見た男の子なんよ。
10コ歳がはなれた弟だけどねw
でも、母親はまた別の男に入り浸っちゃって…
結局また再婚して新しい父親ができて、また弟が産まれて…
アタシの兄弟、3人とも父親が違うのよw
アタシはそんな節操のない母親も大嫌いで、高校卒業したらすぐに家を出たの。
東京でなんとか働いていたんだけど、5年前に母親が病気で危篤だて弟から連絡があって…」
で、お母さんは?
「アタシが病院に着いた頃には亡くなってた…
全く…最後まで身勝手な人だったよ。
弟は母親と下の弟を抱えてだいぶ苦労したみたい…
弟にしてみればアタシも身勝手な姉だったよね…
葬式の後、アタシはすぐにこっちに帰ってきたけど、親戚とかともあまり交流なくてね。
近くまで仕事で来たから寄ってくれたみたいだけど、こうやって連絡くれるのはあの子だけよ…」
そうだったのか…
だからあんなに楽しそうに…
「じゃあ、話しついでに聞く?
アタシの過去の男の話し…」
真里の過去の男…
うん。
聞かせてよ。
「アタシが24の時、ある男に出会って、付き合うようになったんだけど、アタシその頃はかなり太ってたのw
コンプレックスからか、なかなか上手く男と付き合えなくて、初めての男だったんだ…
付き合い始めた頃はその男は優しくてね。
アタシは夢中になったよ。
その男はアタシが痩せたら結婚してくれる、って言い出して、必死でダイエットしたよ。
今まで貯めた貯金も全部彼が結婚資金にするから渡したし…
ダイエットが上手く行って、いよいよ結婚できる、って思ってたら彼が蒸発しちゃって…
残ったのは彼が作った500万の借金…
連帯保証人にアタシの名前とご丁寧にハンコまで押してあったわ…
騙されたってその時わかったの…」
…で、どうしたの?
「サラ金の取り立てが恐ろしくて、借金を返せないと言ったらソープで働いて返せ!と言われてそのまま…
8年がかりでようやく返せて自由になったよ…」
…
「ホント、バカよねアタシ…
まぁ、借金返済しながらのビンボー生活で痩せたままキープ出来たくらいかな?良かったのはw
昼間働いていた弁当屋さんで、ロス貰って食べ繋いでいたから、未だに料理できないし…
ソープの仕事なんてちっとも気持ち良くなれないし、本当にイヤだったよ…
毎日セックスしてるのにね…
ストレスだけ溜まって、男には不信しかなかったよ。」
…
俺は黙って真里の話を聞いていた。
色々ショッキングな事実がわかってきた。
真里は包み隠すことなく、俺の目をじっと見ながら語り続けた。
「自由になれても、アタシがバカなのは変わらなくてね。
色々言いよってくる男達に結局遊ばれてたんだよね。
優しい言葉に、フラフラっとして、カラダだけ求められて、いざクリスマスも誕生日も誰も一緒に過ごしてくれなかった…
みんな、本命のトコに行っちゃうんだよねw
最後には妻子のいる男を好きになって…
子供が出来て…
中絶して…別れて…
いつの間にか子供ができない身体になったりして…」
もう…
もういい…
「…ゴメンね…
こんな馬鹿で下らない話聞かせてちゃって…」
何が…
何が下らないんだよ!
真里は一生懸命生きてきた!
下らないのはその男達だ!!
それに…
一番下らないのは俺だ!
自分自身に自信を持てなくて、真里に捨てられるんじゃないかといつも不安で仕方なかった。
だからちょっとした事で誤解して、真里の言い訳すら聞かないて、真里に辛いことを思い出させて…
何やってんだ…俺は…
真里…本当にゴメン…ゴメンよぉ…
俺は恐らく、こんなに泣いたのは赤ん坊以来じゃないか?と思う程泣いて真里に詫びた。
「違う…違うよ俊…悪いのはアタシだし…」
真里もボロボロ涙を流していた。
…
…気づけばもう夕方になっていた。
真里は男性不信から自らで快楽を求めるようになり、変態行動に快感を覚えるようになったらしい。
そして、あまり普段着飾って歩かなくなり、地味を装うようになったのも男を近づけないためだったようだ。
変態行動に出る時に以前の派手な装いにすることでオンオフをしていたのかもしれない。
しかし、俺という変態男と出会い、今まで抑えてきた欲求を爆発させてしまい、今に至ったという。
同時に、今までのプレイが真里の抱えて来た辛い出来事を忘れさせてくれるものだったようだ。
「俊、改めてだけど…
アタシみたいな女と付き合っていける?」
真里が悲しげな表情で聞いてくる…
…真里が悪かったわけじゃない…
俺は真里が…それでも好きだ。
別に同情とかそんなのじゃない。
前の真里は前の真里。
ただ今の真里が好き。
それじゃダメかな…
上手く言えない。
的確なセリフが思い浮かばない…
でも…
「アタシも…俊が好き…」
俺は真里をチカラいっぱい抱きしめた。
真里は恐らくわかっていたと思う。
真里自身の知られたくない過去を俺が知っても、俺の気持ちが離れることはないと。
いや、そう信じることにしたのかもしれない。
俺はただ、真里と一緒に楽しくいたい…
真里の笑い顔、エッチな顔、意地悪な顔…
全て真里なんだと改めて気付いた。
真里、結婚しよう。
俺と…ずっと一緒にいて欲しい…
…
「はい…嬉しい…です…」
俺のプロポーズがクリスマスイヴの日というのはでき過ぎだ。
しかし、真里があの時俺の部屋まで押しかけて来なかったら真実を知らずにいたのかもしれない。
真里は俺以上に俺を信じてくれていた。
誰よりも俺を思ってくれていた…
真里…愛してる…
…
イヴの夜、俺と真里はテーマパークの観覧車にいた。
当然夜景を観にきた…
わけがない(笑)
「俊…あぁん…ソレ…キクわぁ…」
観覧車の中でお互い全裸で激しいセックス。
真里の乳首もマンコも今日は凄いビンカンだね~
俺は真里の胸を窓に押し付け、後ろから激しく突きまくる!
「俊のチンポもスゴいのぉ…」
隣の観覧車にいるカップルがこちらを見て笑っている…
真里、見て…見られてるよ!
「あはぁん…見て…アタシと俊が変態セックスしてるトコ…見て欲しいのぉ…」
気持ちよ過ぎて…出ちゃうよ…
「俊…中に出して!中にザーメン頂戴!」
ブッビュビュビュー!
ドクドクッ…
聖夜の俺たちはいつも以上に燃え上がり、性なる夜になった。
続く…
次回
最終話 変態旅行 前編
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