俺達の報告を受けて大人達が慌てて動いた。1人は警察に電話をしに、男5人と女2人が懐中電灯を持って現場に向かった。俺も行こうとしたが止められた。15分程すると警官が2人到着し事情を聞いてからトイレの方に向かった。それから10分程すると皆戻ってきた。カップルも犯人達もいた。俺達は犯人の1人に驚いた。槙田だった。槙田は中2の頃から学校に来なくなり、地元の族に入っていた事を近所の噂で知っていた。激しく抵抗したのか服は少し破けて汚れ、膝には擦り傷があり血が出ていた。いつの間にか2台目のパトカーも来ていた。槙田達は人目に付かない様にパトカーに乗せられた。その内3台目が来てカップルが乗った。男の顔には殴られた後があり少し腫れていた。犯されたであろう女は法被を羽織り、それを落ちない様に両手で掴み背中を丸めて俯いていた。やがてパトカーが動きだし走って行った。俺はパトカーを見ながら「馬鹿だな槙田も…」と呟くと「そうだね…ホント昔から馬鹿だね…」と麻希も言った。やがてパトカーは見えなくなった。
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