「この写真…」と言い掛けた時、麻希はジュースをテーブルに置き、慌てて奪おうとしてカバンに躓いた。俺はとっさに麻希を抱え、ベッドに倒れ込んだ。麻希の体は柔らかかった。麻希は慌てて起き上がり「ゴメン…大丈夫?」と言った。俺は「うん…大丈夫」と言って起き上がった。気まずい空気が流れた。俺が沈黙を破った。「好きなの?俺の事?」麻希は顔を真っ赤にして頷いた。「いつから?」の問いに「6年時に助けてくれた時から」と答えた。「知らなかった…」「だって若林君…その時から…さつきちゃんが好きだったでしょ?」「知ってたんだ…」「うん…いつも見てたから…」「気づかなくてゴメン…」「ううん…いいの…私が勝手に好きになっただけだし…苦しくっても…楽しかったから」そう言うとまた沈黙が支配し、カランとコップの氷が溶けた。「若林君…お願いがあるの…」麻希が沈黙を破った。「何?」麻希は向き直りふぅ~っと息を吐いてから「私の事好きじゃなくてもいいから…私を抱いて下さい」と信じられない言葉が麻希の口から出た。
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