新聞部の取材が来た。新人戦が近づいているから、各運動部にその意気込みを聞いて廻っていた。麻希もカメラを持って一緒に来ていた。この新聞は図書室前と昇降口に張り出された。意外と新聞部の記事は人気があり、他の生徒達が足を止めて読んでいた。…部活の前に俺は借りていた本を返しに図書室に行った。自分で出来るので職員室に鍵を借りに行くと担任が「さっき木村麻希さんが持って行ったぞ」と言った。図書室は新聞部の部室としても使われている。図書室に行きドアを開けると麻希だけが部活の準備をしていた。「あっ!?若林君どうしたの?」「本返しに来た」「そうなんだ…私がチェックするよ」と言ったが俺は「自分でするからいいよ」と断りカウンターに入りカードを出した。そして本を返し新しい本を探した。「木村さん」「何?」「何かお勧めある?」と聞くと麻希は嬉しそうに「コレ何かどう?私も読んだけど面白かったよ」と勧めた。「どんな内容?」「それ言ったら面白くなくなるし」「そうだね…じゃぁコレ借りて行こ」とカードに名前を書いた。
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