美咲は振り向くと「写真のオバチャン」と言った。「写真のオバチャン?」「うん…そうだよ」と言って美咲は立ち上がりキッチンカウンターに飾ってある桜の写真を指差し「このオバチャン」と言った。俺は息を飲んだ。そして美咲に「そのオバチャンどこにいるの?」と聞くと「お外に出たっ」と言った。美咲はすぐ外に出た。俺もすぐ追いかけた。桜の木の前で美咲は止まった。俺は美咲を抱きかかえた。「オバチャンどこ?」と言うと「木の前にいるよ」と言った。その瞬間突然風が吹き不思議な感覚に陥った。気がつくとそこは真っ白な世界で目の前に桜と桜の木が立っていた。桜は真っ白なワンピースを着ていた。「桜…」と話し掛けると「源ちゃん…美咲」と言った。「桜…会いたかった」「うん…私もだよ…ゴメンね源ちゃん…死んじゃって」「そんな事はいいよ…桜に会えただけで嬉しいよ…ほら美咲ママだよ」「ママ?」「そうだよ美咲のママだよ」「ママ…」そう言うと美咲は降りて桜の方へ行った。桜は美咲を抱きしめた。「美咲…ゴメンね…」「ママ泣かないで」と美咲は言った。
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