社長夫妻に子供はなく美咲は社長夫妻のアイドルになった。まぁ社長夫妻は60近いので子供と言うよりも孫の感覚だろう。夫人が色々な物を買って来るので「嬉しいですけど我が儘になるから、余り与えないで下さい…」と言う程の可愛いがりようだった。…ある日突然社長が「よしっここを三階に建て替えて一階に保育園を作ろう」と言って皆を驚かせた。社長は乗り気で自ら図面を書いた。本気だった。会社を借りた空き店舗に移転させ、自ら書いた図面の建物を建て次の春までには完成した。まさかの行動力に皆唖然とした。一階は保育園、二階は事務所、三階は社長宅だった。近くに住む社員の子供と近くの子供30人程が入園した。社長は暇があると子供達と遊んだ。勿論の事美咲も入園した。…話しを少し戻す。…桜の四十九日が営まれた。納骨する前に俺は桜の遺骨の一部を小さい骨壺に入れた。「源二郎君…何故そんな事するんだ?」と義父に聞かれた。「前に桜と話したんです…どっちかが死んだ時に遺骨の一部をあの桜の傍に埋めようって」と俺は言った。
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