義母が落ち着いて少しした後に1人の男が入ってきた。「この度はご愁傷様です」と一礼してから「それではご遺体のお着替えと化粧をさせて頂きます」と言って合掌してから死に装束を取り出し着替えさせ始めた。男は手際良く着替えさせた。皆黙ったままその作業に見入った。着替えさせ終わると「次は化粧の方を」と言って桜が使っていた化粧品を使い遺影を見ながら化粧していった。口に綿を詰めふっくらさせメイクをすると、桜が笑った様に見えた。俺は「今桜が笑った」と言うと「うん…笑ったね」と皆も言った。メイクが終わると「どうでしょうか?」と聞いた。俺は覗き込んで桜の表情を見た。「はい…桜です…間違いありません…ありがとうごさいました」と言って頭を下げた。「桜…綺麗してもらえて良かったな…」と言うと「本当に…今にも起きてきそうね」と義母が言って泣いた。「綺麗よ桜ちゃん…」と母も言った。その後桜は棺に移され葬儀場へと移動した。通夜が始まる1時間程前に、常連さん達が来て皆桜に言葉を掛けていた。
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