疲れ切って家に戻り玄関を開け「ただいま」と言って電気を点けるが桜が迎えに出てくる事はなかった。グッと涙を堪えリビングの電気を点けると、テーブルの上にはケーキがそして椅子には花束が。俺はそれを見た瞬間涙が溢れた。つい4時間程前まで桜は生きてここに居たのに…結婚記念日を祝うはずだったのに。そう思うだけで涙が止まらなかった。両親は俺の泣く姿を見て一緒に泣いた。冷静を取り戻した俺は「ゴメン…取り乱して…今日はもう疲れたから寝るわ…そこのケーキ…モンブランだけ残しておいて…桜が好きだったヤツだから」と言い残し部屋に行った。俺は今日起こった事が夢であって欲しいと願い眠った。寝てから2時間程すると美咲が泣き出した。俺は目を覚ましミルクをあげようと起きてベッドを見た。やはり桜は居なかった。涙が溢れそうになったが堪え、美咲を抱いてキッチンに行きミルクを作り飲ませた。母が起きて来た。「ゴメン…起こしちゃったね」「いいのよ…いつもやってるのね…手際がいいわ」と言った。
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