「俺が代わりに買いに行ってれば…」「そんな…孝ちゃん源ちゃんも悪くないよ…」と直美が言って沈黙した。「桜はもう助からない…」「源二っ!?何言ってんだお前っ!!」「そうよ源ちゃん何言ってのよっ!!」「見たんだっ!!」「見たって何を?」「孝一さんから電話が来るほんの少し前…桜が帰って来たんだ…」「えっ!?」「俺も見た事ない…悲しい顔して立ってたんだ…」そう言うと皆「うっ…」と言って口を抑えた。「多分…お別れを言いに来たんだと思う…凄い悲しい顔だった」それを聞くと皆声を殺して泣き出した。俺は治療室の方に視線をやった。すると電気が消えて先生が出てきた。「先生…」「すみません…全力を尽くしたのですが…」と言うと一さんが「何でっ!?あんた医者だろう」と詰め寄ろうとした。俺は先生と一さんの間に割り込み「先生ありがとうごさいました」と深々と頭を下げた。すると皆一斉に泣き出した。女性陣は座り込み敏さん達はうなだれ、孝一さんは「くそっ…何でっ」と言って壁を殴った。俺は振り向いて「皆さん、色々とありがとうごさいました」と再度頭を下げた。俺は涙が出なかった。
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