俺はそれを拾うとキッチンカウンターに伏せて置いた。美咲を抱っこしてあやすが美咲は火が点いた様に泣いた。あやしてると不意に気配を感じそっちに視線を向けたら、リビングの入り口に桜が立っていた。俺は少し驚いた後「何だ帰ったのか」と話し掛けたが桜は返事をしなかった。桜に近づこうとした瞬間、テーブルの上に置いてあった携帯がけたたましく鳴った。表示を見ると孝一さんからだった。「桜ゴメン…ちょっと美咲を…」と言って入り口を見ると桜の姿はなかった。「桜?」と言って廊下に出るが居ない。(おかしいな?)と思いながら電話に出た。「もしもし孝一さんどうしたの?」「源二っ桜ちゃんが…」「ちょっともうちょっと静かに…桜が何?」「桜ちゃんが車に牽かれたっ」「はぁ?何言ってんすか?桜なら今家に帰って来ましたよ?」「冗談なんかじゃねぇよ…早く来いっ…商店街の十字路だっ」そう言うと一方的に切れた。俺は(何言ってんだよ?)と思い桜を捜したがどこにも居なかった。(まさかなっ)と思った俺は一応商店街に行こうと思った。
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