俺は意を決して「よしっ」と言ってからトイレを出た。席まで戻ると「源ちゃん?どうしたの?顔怖いよ」と桜は言った。俺は立ったまま少し大きい声で「皆さんすみません…重大発表があるので少しだけ静かにして貰えますか?」皆何だ?と言う顔をして俺に注目した。俺は片膝を付いてポケットから指輪を取り出した。そして「中村桜さん…少し早過ぎるかと思いますが…俺と結婚して貰えますか?」と言って指輪の蓋を開け、桜に差し出した。店内が一瞬ざわつきまた静かになった。俺は真っ直ぐ桜を見つめた。桜は両手で口を塞ぎ驚いていた。そして恐る恐る右手を伸ばし「…はい…こんな私でよければ」と言って指輪を受け取った。店内は拍手と歓声に包まれた。桜は泣き俺はバシバシ叩かれ祝福された。桜は泣きながら笑った。俺も笑った。するとマスターが「めでたいなっ…今日は唐揚げと焼き鳥と煮物サービスだ」と言うと誰かが「全部じゃないの?」と言うと「全部は無理だっ」と言い笑いを誘った。そして敏さんと一さんが「今日は源ちゃん達の分は俺達が払ってやるからどんどん頼めっ」と言って笑った。
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