~某ビルの一室
シロ「はじめまして、潮田さん。私はこの団体のトップをやらせてもらっております、白井と申します。息子さんを救うために私たちは協力を惜しみませんよ。」
死神「所長は幼い頃顔に大きな怪我を負われたそうで…顔を隠しての無礼をお許しください。申し遅れましたが私は秘書をしている花崎と申します。お見知り置きを。」
渚母「それよりもあの教師から渚を救ってくれるって!」
シロ「ええもちろん、お約束します。ただ相手は中学生、無理に引き離した所で本当の意味で息子さんは取り返せていません。そこで我々が一時的に息子さんを預かり洗脳を解いてお母様にお返しするというプランを立てております。」
渚母「なぜですか!?あの教師から引き離したのならすぐに返してもらって…」
シロ「お母様、落ち着いてください。慕っている教師から引き離したとあっては息子さんはお母様に不信感を抱くでしょう。それでは意味がない。1度我々が教育をし直してお母様にお返しするのが1番かと。」
渚母(確かに今の渚を見るとすぐに戻るとは…それに白井って人はともかく、花崎さんからは安心感を感じる。渚を任せても大丈夫な気がする。)
渚母「わかりました。ただし、問題を大きくしないことと渚の経歴に傷がつくようなことはしないこと。あと預かったあとの渚の様子を逐一報告してください。」
白井「もちろんです。それと一つお伺いします。お母様は息子さんをどのような子にしたいのですか?正直にお願いします。」
渚母「どのようにって…素直で社会に出てもうまくやっていけそうな…」
死神「お母様。正直にお願いします。」
渚母(あっ……そんなに見つめられたら…私、正直になっちゃっていいのかしら……いいわよね。彼なら任せられる。)
渚母「実は私…子どもは女の子がよかったんですよね…」
シロ「ほう。といいますと?」
渚母「渚を絶対に逆らわない、私に従順でかつ、男っぽさを全部排除したような子にしてください。」
シロ「わかりました。お母様の希望に応えられるよう職員全員で尽力いたします。ただその前に…息子さんとそのきょと表面的には和解してください。」
渚母「なぜですか!?あんなクソ教師と和解なんて!」
死神「お母様、息子さんに自分は味方であると認識させるためです。そうすればお母様のもとに戻りたくなりやすくなります。卑劣な教師との和解はお辛いでしょうが、息子さんのためを思って頑張ってください。」
渚母「花崎さんがおっしゃるなら…」
死神「ちょうど一週間後、椚ヶ丘学園で学園祭をやるようです。その際にでもどうかと。」
渚母「わかりました。息子のことをよろしくお願いします。」
~しばらくして
シロ「あの母親は帰ったかな?」
死神「ええ。完全に信じきっているようです。」
シロ「助かったよ死神。君がいなければ先方を信頼させるのぬ苦労しただろう。」
死神「あなたには脱獄させてもらった恩がありますから。まあ日本の刑務所ぐらい自力で抜け出せましたが、あのタコと烏丸さんになお礼をしないと僕の名前に傷がつく。」
シロ「ええ。そして案の定あの母親はこちらの予想通りの思考をしていたようだ。頼みましたよ、鷹岡君。」
鷹岡「任せてくれシロさん。脱獄させてくれた礼はきっちりする。なにより、あの潮田渚を好き勝手できるんだ。これ以上ないシチュエーションだぜ~」
シロ「ふふふ、殺せんせー、今度こそ君を殺す。君の望み通り、君の生徒を使ってねぇ。」
つづく
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