~都内某所~
政府関係者「まだ例の標的の暗殺のメドは立っていないのか…?」
シロ「残念ながら…」
政府関係者「何をしているんだね!時間ももうないというのに!奴が我が国にとどまっている以上、我々の責任になるのだぞ!」
シロ「……地球が破壊されるかの問題に責任も何もないと思いますが…」
政府関係者「っ!とにかく!平和主義を掲げている我が国で殺し屋を公に雇っていることだけでも問題だというのに!ましてや中学生に暗殺を任せていると世間に知られたらどんなバッシングを受けるか……」
シロ(どちらにしろ地球が滅亡したら謝罪する先もなくなるというのに…全く目先のことだけしか考えられん輩だ)
シロ「ご安心ください。新たな手は考えてあります。必ずご期待に応えてみせましょう。」
政府関係者「本当に頼んだぞシロ君。この際多少荒っぽくなっても構わん。」
シロ「ええ、もちろん。」
シロ(多少荒っぽく…ね。)
~椚ヶ丘学園3年E組教室
茅野「学園祭楽しかったね。渚!」
渚「うん、1位まであとちょっとだったけどね。」
学園祭で嬉しかったのは3位に入れたことだけではなかった。母さんと和解ができた。あんなに穏やかな顔の母さんとと話したのは久しぶりだった。卒業まであと少し、それまでに殺せんせいを暗殺して母さんの2周目の人生である自分と完全に決別しなくては。
殺せんせい「ヌルフフフ。皆さん余韻に浸るのは結構ですが卒業まであと僅か。それまでに暗殺できるんですかねぇ。」
寺坂「あたりめぇだ!てめえのその余裕もいまのうちだけたぞ!」
寺坂君の威勢に呼応するかのように皆が奮起する。大丈夫。このクラスのみんなとならきっと…」
~一週間前某所
渚母「全くなんなのあの学校は!危ない人間はうろついているし、教師もロクでもないし!渚も…昔はあんな野蛮な子じゃなかったのに…小さく怯えて、なんにも反抗できない女の子みたいな子に育てたつもりなのに…」
死神「でしたら息子さんを私に任せてみませんか?」
渚母「!?なんですかあなた!?まさかまた変な…」
死神「いえいえ、別に危害を加えようとしてるわけではないですよ。ちょうどあなたに有益なお話がありまして。」
渚母「有益な話…?」
死神「そう。あなたは息子さんが悪い教師にたぶらかされ反抗的になってしまった。さらにそのせいで仕事もうまくいかなくなっている。違いますか?」
渚母「どうしてそれを…?あなた何者ですか?」
死神「我々は教室という閉鎖的な空間で教師に悪い方向へ洗脳されてしまった子を救う慈善団体ですよ。それにあなたのその疲れた顔を見ると苦労なさっているのもわかる。その教師のせいで大変だったでしょう。
渚母「そう!そうよ!元はと言えばあのハゲ教師が悪いのよ!だから私はこんな目に…」
死神「そうです。あなたは悪くない。ともに息子さんを救いましょう。しかしここで話すようなことではないですし、近くの我々の事務所で相談しましょう。」
渚母(怪しい人にはみえないし、なによりあのハゲから渚を取り返せるのなら……!」
~その頃の渚
渚「母さん遅いなぁ。ご飯冷めちゃうよ…」
つづく
※元投稿はこちら >>