健太は明くる日、夕方の待ち合わせまで時間があったので、校舎をうろうろ歩いていた。授業が終わり、まわりは部活動にいそしんでいた。待ち合わせの音楽室にいく途中、中庭で里子をみかけた。生物部の顧問なので、池でなにかしているようだった。部員と一緒に笑ったりしていた。
里子先生、やっぱり素敵だなあ、今日はブラウスに茶色のスカートなんだ、いいなあ、そんなことを思いながら里子にみとれていると、
「高井くーん、こっちおいで」
大きな声でこちらに手を振る里子に、健太は近づいた。
「なにしてるんですか?」
池に泳いでいる魚をみて、里子は「この子たちね、うちの部員が大事に育てて、ようやく池に放すことができたの、卒業式みたいだね」 優しい眼差しを魚や部員に向ける里子がいた。「なんで国語の奥野先生が生物なんですか?」 「わたしね、理系の勉強は嫌だったけど、生き物は大好きなの、だからやらせてくださいってお願いしてやってるの」 雅彦が理系に進んだのも、そういえば生物が好きなところからだったっけ、健太は一人納得していた。
里子は部員たちの後ろにまわり、健太をよんだ。
「ちゃんと時間になったらいくからね」健太の耳元でささやいた里子は、健太の頬に軽くキスをした。
健太はあまりに突然のことで、固まってしまった。
さあ、中へもどるよ、里子がそういうと、みんな部室に向かって歩きだした。里子も小さく手を振りながらついていった。
健太が音楽室についたのは、4時30分をまわった頃だった。外を見ると、野球部やサッカー部などが汗を流していた。
椅子に座り、うつぶせで寝ていると、いつの間にか深い眠りに入った。
「...くん、健太くん、」
健太が起き上がると、里子がしゃがんで健太の間近に顔を寄せていた。
「先生.... 」 里子の顔をじっと見つめて、改めて里子にみとれてしまった健太は、「きれいです、先生....」 里子は健太に軽くキスした。
窓側に歩いて、窓から外を見ながら里子は「健太くん、本当に頑張ったね、私嬉しくて、早く健太くんに会いたいって思っていたよ。」振り向きながら健太に話しかける里子に、健太はうっとりしていた。そして里子の近くに行き、キスをした。外ではまだ運動部が練習している音や声が聞こえる中で、教師と生徒がキスしている非現実的な状況に、里子は感じてしまっていた。里子は実は過去に同僚教師と校内で体の関係を持ったことが一度あった。同僚教師が転勤したのでそれっきりだったが、その時は狭い職員用のトイレの中だった。だから校内という印象が少なかったが、今は、他の生徒がいる校内、しかも教室ということで、そのシチュエーションだけで、里子はすでに濡れていた。
健太はキスしながらブラウスの上から胸を揉むと、「あぁっ、はんっ、あっ」 いつにも増して、里子は激しく感じてしまうのだった。
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