智樹の部屋の前に立ち、チャイムを押すと、すぐに智樹がドアを開けてくれた。
「お帰りなさい♪」
笑いながら出迎えてくれた智樹に、
(ぷっ!お帰りなさいって何よ?)
おかしくなり吹き出してしまった。
智樹のその一言で紀子の緊張がほぐれた。
「ただいま♪ちゃんとお利口に寝てましたか?」
笑いながら紀子も尋ねた。
「うん!ほとんど寝てないけど…とりあえずあがってください!」
サンダルを脱いで買い物の荷物を持って、また智樹の部屋へあがろうとすると、
「何作ってくれるんですか?」
買い物袋を覗きこみながら智樹が尋ねてきた。
「そうね?智樹君は煮魚なんて食べれる?智樹君若いからお肉にしようかと思ったんだけど…体調悪い時にお肉もハードかな?と思って…もしお魚苦手だったらお肉買いに行くけど…」
「魚も大好きだよ!いつも魚とかあんまり食べないから、むしろ嬉しいかも♪」
「そう?それならよかったわ♪支度するから、キッチン借りるわね!」
紀子の読み通り、智樹は家庭的な料理がよかったのだ、と紀子は安心した。
キッチンに入る紀子を智樹も追いかけてきて、キッチンに一緒に入ってきた。
「ちょっとー智樹君、キッチンの中狭いから、寝てていいからね!」
「紀子さんが料理作ってるとこ、ちょっと見たくなったんだもん♪」
かわいいことを言ってくる智樹にキュンとしながらも、
「そんなの見なくていいの!できるまでまた寝てなさい!出来たらまた起こしてあげるから!」
渋々キッチンを出る智樹を笑いながら見送り、床に置いてた買い物袋から、屈んで魚や野菜をとってると、
「超セクシーショット♪」
紀子が振り向くと、ベッドに戻ってたと思った智樹が、紀子を見ながらニヤニヤして立っていた。
智樹の位置から見ると、紀子がちょうどお尻を突き出してる態勢になってたのだった。
「ちょっと智樹君!何してるの?さっきも言ったはずよ!悪戯するならもう帰るわよ!」
そんなとこを智樹に見られてるとは知らずに、恥ずかしくなり、つい声を荒げてしまった。
すると智樹がキッチンの中に入ってきて、
「紀子さん、やっぱり俺、紀子さんが好きです!」
狭いキッチンで行き場のない紀子は、その場に立ちつくしていると、いきなり抱きしめられた。
「智樹君…ダメよ!お夕飯作れないよ…」
口では抵抗するが、智樹を押し返すことは出来なかった。
抱きしめたまま智樹は紀子の耳元で、
「紀子さん、ワンピ着てくれたんだね?めちゃめちゃかわいいですよ♪」
「ち、違うの!帰ったら娘がいて…着替えられなかったの!」
俺のために着てくれた…と、智樹に思われるのが恥ずかしく、紀子はとっさに言い訳をしていた。
「紀子さん…かわいい…」
抱きしめたまま、恥ずかしくて下を向いてしまった紀子の顔を覗きこみながら、智樹は唇を重ねてきた。
紀子はもう抵抗せず、智樹の唇を受け入れた。
キスと智樹の言葉だけで紀子は目眩がするほどの感覚だったが、片手をキッチンテーブルに付き、なんとか立っているのであった。
やがて智樹の舌が紀子の唇をさまよいはじめ、紀子は自然に智樹の舌も受け入れた。
背中に回してた智樹の手が、やがて紀子のワンピースの背中側に付いてるファスナーを下げはじめた。
「イヤッ…ダメ!」
ファスナーおろされそうになったことに紀子は気づき、慌てて唇を離して身体を捻って智樹から逃れた。
「紀子さん、ベッド行こう♪」
離れた紀子の手をとり、智樹はベッドへと引っ張って行くのであった。
「もうー、お夕飯はどうするのよ?」
一応紀子も踏ん張るのだが、智樹の力には逆らえず…ずるずるとベッドの部屋へと連れて行かれるのであった。
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