智樹に声をかけるとすぐに智樹は起きてきた。
リビングのテーブルに出来上がった雑炊をだし
「熱いうちに食べちゃいなさい!」
「はーい!わぁ~うまそう♪いただきます。」
紀子は智樹の正面に座った。
「熱いからあんまり急いで食べて、舌ヤケドしないようにね!(笑)まだあるからたくさん食べて元気になってね。」
「うん、ありがとう♪」
ハフハフしながらもガツガツと智樹は紀子が作ってくれた雑炊を食べながら、
「ヤバいこれ!めっちゃ俺のタイプ♪紀子さんさすが主婦のプロですね!」
紀子は美味しそうに食べてくれる智樹を見て嬉しくなって
(やっぱり来てあげてよかったわ…)
と思いながら
「うふふ…よかった♪智樹君のお口にあったみたいで!」
「なんかこうゆうのって…すげ~久しぶりかなぁ?」
何かを思い出してるように智樹がつぶやいた。
「こうゆうのって?お雑炊食べたのが久しぶりだったの?そうよね…自分じゃこんなもん作らないしね!」
「うん…雑炊ももちろん久しぶりだけど…こうやってなんか作ってもらって食べたのも久しぶりかも♪なんかやっぱりいいよね!こうやって作ってもらって食べられるって…」
高校3年といえば、それが当たり前なのだが、母親が出て行ってしまい、父親もあまり家に戻れない智樹にとってはその当たり前のことが嬉しかったようだ。
(まだまだ甘えたい年頃なのに…智樹君かわいそう…)
智樹の言葉にこみ上げてきそうになってる紀子はこらえながら明るく、
「そうだよね…。でも、こんなのでよかったらいつでもまた作りにきてあげるから!」
「本当に?嬉しいなぁ~♪じゃあまた風邪ひかなきゃだね!(笑)」
「(笑)バカなこと言ってないで早く食べてお薬飲まなきゃ!」
「そうだよね!明日バイト行けなかったらご褒美も消滅しちゃったら困るし!(笑)」
「えー!そんな約束したっけ?(笑)そうそう♪だから早く元気にならないとね!智樹君凄い汗かいちゃったね!食べたらまず着替えないと!」
ご褒美と智樹に言われドキッとしてしまう紀子なのだが、なんでも智樹のためにしてあげたい気持ちはますます強くなっていた。
「紀子さん、ご馳走さまでした。本当だ!すげ~汗かいちゃった!」
その場で智樹はTシャツを脱ぎながら上半身裸で立ち上がり、替えのTシャツを探しにいった。
紀子からは智樹の後ろ姿が見えていた。
「ちゃんとタオルで汗拭いてから着替えなさいよ!」
普段、中高生の腰パンにはだらしない…と、否定的な紀子であるが、智樹がTシャツを脱ぐと腰パンになっており、思わず上半身の裸と腰パン姿を後ろから見入ってしまい恥ずかしくなるのであった。
紀子の子供は理花だけで男の子がいないので、高校生の男の子の上半身の裸だけでも紀子にとっては刺激的すぎるのだが、腰パンまで間近に見て動揺してる紀子だったが、動揺を悟られないように冷静に智樹に言った。
「はーい!おっ、あったあった♪これでいいや!」
智樹はクローゼットからTシャツとパンツとハーフパンツを取り出し、まずその場でTシャツを着て、パンツとハーフパンツを持って脱衣所と入っていった。
(さすがにパンツは脱衣所で履きかえるのね…)
少しホッとしながら紀子は思った。
脱衣所で智樹が着替えてる間に薬の用意をしといた。
着替え終わった智樹が戻ってきたので
「はいこれ飲んで、またおとなしく寝てなさいね!」
「はい…うわっ!これ超苦っ!」
愚痴を言いながらも智樹はちゃんと薬を飲んだ。
「はい♪よく飲めました!(笑)じゃあ私は片付けするからちゃんと寝てなさいね!」
智樹は素直にベッドに入り、紀子は食器類を洗い片付けた。
片付けが終わり、汗かいた洗濯物を洗ってあげようかと思い、智樹のベッドに行って声をかけた。
「洗濯機回すけど、他に洗う服ない?」
「えっ!洗濯機?いいよ…そんなの…」
さすがにさっき脱いだパンツもあるので智樹はぶっきらぼうに答えた。
「ダメよ!汗たくさんかいてるんだから、こまめに洗濯しないと!じゃあ今入ってるのだけ回しとくね!」
「えーっ!!」
困ってる智樹を無視して紀子は脱衣所に入り、洗濯機の中をみると、Tシャツもパンツも裏返しのまま丸めて放り込んであったので、1枚づつなおしながら、ほんのり智樹の匂いがしてきて
(ああ…智樹君の匂い…)
めまいがしそうな感覚を我慢しながら、裏返しをなおしてると、智樹のさっきまで穿いていたであろうと思われるパンツが出てきて、
(さすがにこれはいじらないほうがいいわね…)
諦めて洗濯機を回し始めた。
替えの冷えピタを持って智樹のベッドへ様子を見に行くと、智樹は目を開いていたので、
「智樹君、ちゃんと脱いだら裏返しなおさなきゃね!全部裏返しだったわよ!(笑)」
「やべえ…まさか紀子さんに洗濯してもらうとは思わなかったから…油断してた!(笑)」
「普段からちゃんとやっとけばいいのよ!(笑)智樹君これ替えたほうがいいわよ!」
寝てる智樹のおでこから冷えピタをはがし、新しいものを貼ろうと、智樹の髪の毛を左手で上におさえながら、右手だけで冷えピタをはがして貼ろうとして戸惑ってると、いきなり智樹に右手の腕を掴まれて、そのまま智樹のほうへと引っ張られてしまい、気づくと智樹の顔が間近にあった。
「キャッ…」
思わす声をあげてしまった紀子だったが、すぐに智樹は背中から紀子を抱きしめて引き寄せながら、間近にある紀子の唇を塞いだのであった。
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