ショッピングモールに到着して、まず理花のお気に入りのお店に寄った。
理花の成績がまずまずよかったので、服を買ってあげると約束していたのである。
理花は何枚か持ってきて、
「これとこれとこれがいいな!3枚までOK?」
などと言ってくるので、
「ダメよ!1枚だけよ!(笑)」
ここぞとばかりにねだってくる理花を軽く紀子はあしらい
「じゃあシャツとスカートと一枚ずつならいいわよ!お父さんとお母さんと1枚ずつってことで!ワンピースだったら上下だからそれだけで1枚よ!(笑)」
理花が手に持ってるのは、フレアのミニスカートとそれに合わせたTシャツと、夏らしい爽やかな花柄のワンピースであった。
「ええ~!迷うなぁ…このワンピ超カワイイんだけどこれだと1枚だもんなぁ…」
ぶつぶつ考えてる理花であった。
紀子はそのワンピースを見ると、確かに上品で可愛いデザインであった。
「じゃあこれ、お母さんが買って着ようかな♪」
紀子が冗談で言うと理花が食いついてきて
「うん!これなら落ち着いてるし、お母さんが着ても全然大丈夫だよ!」
紀子が買えば自分が借りればいいことだととっさに考えて、理花はがぜん紀子にワンピースをすすめてきた。
理花も紀子とほとんど体型は同じ感じで、若いぶんウエストやお尻は紀子よか細身であるが、紀子の服でもサイズは大丈夫なのであった。
「冗談よ!(笑)こんな若い子のお店の服、お母さんが着れるわけないじゃないの!」
「どこで買ったかなんかわからないよ!お母さんもこのサイズで大丈夫だと思うから、ちょっと着てみなよ!」
「えー!で若い子のだから体のラインも出そうだし…丈も短いんじゃないの?」
「ゆったりしてそうだから大丈夫だと思うよ!いいからお母さん着てみようよ!」
試着室に連れて行かれ紀子は渋々着替えて鏡を見た。
(思ったよりウエストやお尻はきつくないわね!でもちょっと丈が短いかな…)
膝上のミニ丈なのが気になるが、紀子は少し若返ったような気持ちになり迷っていた。
「どうかな?おかしくない?」
外で待ってる理花に声をかけた。
「全然おかしくないよ!お母さんピッタリだったね!お母さんがピッタリなんだから、うちも着れるな♪(笑)」
理花は紀子の姿を自分におきかえてイメージしながら
「はい!じゃあ決定!そのワンピはお母さんが買ってね!(笑)」
「理花ったら、まったくもう…」
苦笑いしながら元の服に着替えて紀子は出てきた。
理花の上下と自分のワンピースの会計をすまし、軽くお昼を理花と一緒に食べて、夫の正明の昼食と食料品の買い物をすませて駐車場に出ると、雨がポツポツ降ってきて、車に乗り込む頃にはゲリラ豪雨となってきた。
「うわー、いきなり降ってきたわね!早く帰りましょ!」
「うん、凄いね!花火今日大丈夫かな~?」
「すぐやむとは思うけどね…」
雨の中車を走らせて2人は家へともどった。
※元投稿はこちら >>