欲望を満たした清水は満足気に服を着始める。
静子も余韻の残る肉体を起こし、清水に背を向けるように下着を履きブラを付ける。
淫水で汚れたシーツを外すと布団を片付ける。
小さなゴミ箱に入れられた清水との残り痕をビニール袋も一緒に取り出し大きなゴミ袋に混ぜ込む。
和室には乱れた淫な臭いが、それを消すように縁側の戸を開け空気を入れ換える。
「奥さん」
着替えの終わった清水は静子を抱き寄せる。
口を開き舌を伸ばし静子の唇を奪う
「あ~!ぅうう…」
静子を舌を伸ばし舐め合うような淫靡なキスを交わす。
唾液が唇の端から流れ落ちる…
「奥さんの身体…本当にエロくて素晴らしいよ、これからも私が抱きたい時に奥さんを抱くから」
「そんなぁ…私にも主人や子供も居るから、そんなに頻繁には」
「ご主人では奥さんを満足させる事は出来ないだろうし…奥さんも、もう私のこれからは離れられないだろう」
清水の淫な声が響く…
「でも…でも娘や主人に申し訳ないから」
余韻の覚めた静子は、急に普通の主婦に戻る。
「いっ時も私を忘れられない女に奥さんを仕込んで行くから」
「携帯を決して離すんじゃないよ奥さん…家族と居る時間も、私は奥さんを抱き続けるから」
清水の言葉に終わったばかりの股間がズキッと疼く…
「そんなの駄目…怖いわ」
清水を見上げながら静子は清水の口元に流れる唾液を舐め取る…
夕方に娘が帰って来る。
着替えを済ませた娘は夕飯の支度をする台所に来る。
「どうしたの?夕飯の支度は、まだ出来てないわよ」
「お母さん、この前に友達と会うとか言って何処に行ってたの?」
「えっ!何の事?」
まさか清水とラブホテルに行った事を娘に見られた事などを知るはずも無い静子は真剣に聞き返す。
「お母さんの車を運転する男の人、見た事有るような人だったわ」
娘の言葉に静子は凍り付くように固まった。
…あの人とホテルに…見られたの?娘に見られたの…
静子は狼狽えながら言葉を濁す
「見ちゃったのよ、お母さんが男の人とホテルに入る所を」
娘の言葉に静子の理性は崩れ去る…
「あれは…違うの…違うのよ」
「違うって何が違うの?普通あそこに行くって事はセックス目的で行くんじゃ?」
娘の冷たい言葉が続く
隠し切れないと悟った静子は、開き直るように
「母さんだって…まだ女なの…お父さんには申し訳ないけど、こんな母さんでも好きだって言ってくれる人が居るの…皆んなに申し訳ないと思いながらも好きに成った人とは少しでも一緒に居たいと思ったの」
涙声で静子は吐き出すように話す。
「信じてたのに…お母さんは、そんな人じゃないと信じてたのに」
娘も泣き声で言う。
暫くしてから
「この事を、お父さんに話す…」
家庭が壊れる事を覚悟した静子は、静かに言う。
「うぅん…言わない、そんな事を言えば家庭がダメに成るよ」
娘の言葉に、母子の間に奇妙な連帯感が生まれていた。
※元投稿はこちら >>