翌日。元気に出勤した徹は川口に挨拶だけして、距離をとった。
川口の言うままに行動をして涼子を苦しめてしまった。やったのは徹自身で川口は悪くないのは分かっていたが…どうも納得がいかずに不信感に変わっていたのだった。
「どした?奥さんと喧嘩でもしたか?あんまり大人しいから今日も休みかと思ったじゃないか!」
「昨日は、申し訳ありませんでした。」
よそよそしく言った徹に怪訝な顔の川口。
徹の様子をうかがいながら仕事をしていたが、目も合わさない。避けられてると焦って就業時間のギリギリに近寄り
「報告は無いのか…」
徹に聞こえるように独り言を呟く川口。あっさり無視して
「今日も、あまり体調がよくないので定時で帰ります。失礼します。」
素早く片付けて退社してしまった。
今まで嘘のように上手くいっていた川口は舌打ちをする。カモに逃げられた。なんとかしなくては…ただのカモじゃないんだ。嫁を背負ったカモなんだからな、放さないさ。俺の獲物だ。
新たな作戦を考えることにした。
大好きな涼子の元に一目散に帰る徹。体調なんか悪くなかった。それどころか今夜は涼子とどんなプレイをするかを考えて全身を高揚させるのだった。
涼子もまた、徹の帰りを待っている。今夜はアロマのお風呂とキャンドルで彩り、寝室にもアロマの香りとキャンドルを飾った。
揺らぐキャンドルの灯りの中で愛し合うことを想像しながら食事を作る。
私、いつからこんなにエッチになってしまったんだろう?と微笑みながら味見をする。これで準備完了。バッチリね。
徹が帰ってきて玄関でお迎えのキスをする。
すぐに二人で食事を楽しみながら、涼子が話す。
「今日は、徹がお客様なの。お風呂に行けば分かるよ。いっぱいリラックスしてね~」
「なんだろう?楽しみだな~じゃお風呂入るね」
心地よいアロマの香りがお風呂に漂っていた。
「うわぁ~すごいねぇ」徹が驚いて感動する。
「ちょっと待ってて」
涼子がキャンドルに火を灯して電気を消した。
「どう?リラックスできそう?私も入るね~」
二人でアロマのサラサラしたお風呂に浸かりながらキャンドルの揺れるのを眺めた。ぼんやりとした光に包まれてロマンチックな時が流れる。どちらともなくキスをして、躰を愛撫し合う。
「寝室にもあるから続きはベッドでね。」
のぼせそうに火照った躰を軽く拭いて寝室に行く。
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