「だって徹、浮気してるでしょ?他に好きな人がいるんでしょ?だから、頑張って徹を悦ばせないと…徹いなくなっちゃうかもしれないから…頑張らなきゃって…徹と離れたくないから…」
泣きながら声を絞り出す涼子を宥めるように抱き寄せた。徹も自分のやったことを後悔していた。
「ごめん。本当に浮気なんてしてないよ。こんなに涼子を苦しめてたなんて、ごめんね。」
抱き締めあいながら泣いていた。
なんて酷いことをしてしまったんだろう…涼子の気持ちに気づかずに幸せを感じていたなんて心から反省した徹だった。
ようやく落ち着いて、お互いに泣きやんだ二人。
冷め切った紅茶を飲んで徹が話し出した。
浮気なんてしてないこと。携帯は涼子からのメールを読み返したり、涼子の写真を眺めていたということ。川口に言われて携帯を大事していたこと。変な時間のメールも全て川口からだったということ。仕事のメールに紛れて涼子との仲を心配するメールがあること。
涼子は怒った顔をしたが、すぐに笑って
「私、徹にすっかり騙されちゃったんだね。」
ホッとして笑顔になった。涼子のこんな穏やかな表情は久しぶりに見た気がする。ずっと苦しめていたことに改めて後悔する徹だが、写真を川口に見せたことまで言ってしまいそうで写真も川口の差しがねだとは言えなかった。
「ホントよかった…あのね…恥ずかしくて入口付近にあったの借りたら、ムカつく先生に玩具でイタズラする話だったの。だから、徹も私のことが嫌いになって、あんなの使ったんだって…もう私に触りたくないんだって思って、悲しくて…イヤだって言っても止めてくれないし…それで…」
また泣き出す涼子。
「ごめんな!なんにも知らなくて、気付かなくて…俺には涼子しかいないから、なんにも心配しないで。本当にごめん!!もう泣かないでいいんだよ。玩具なんか使わないから。俺も涼子に悦んで欲しくてやっただけなんだ。涼子がイヤなら、あんなもん捨てちゃおう」そう言って涙を拭いてあげた。
「徹、愛してる」
「涼子、愛してるよ」
そのままソファーで横になり愛情いっぱいのキスをした。溢れる気持ちがとまらなくなって、舌を絡ませあい、指を絡ませる。息苦しくなるほど唇を吸いあった。お互いの服を脱がしあい肌の感触を確かめ合う。あたたかい温もりに包み込まれるように徹の掌で撫でられる。
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