徹の携帯が鳴った。
「おい!あんなもの買い込んで仕事サボっちゃいかんよ!今からでも、会社に出てきなさい!」
川口が言ってきた。強い口調だったが声は笑っている。昨夜の事を見透かされているようで全力で
「そんなんじゃないですよ!少し熱がありまして風邪だと思います…」
体調が悪いと訴えた。
「そうか。いつも奥さんにお熱だから熱なら慣れてると思ったけど…」
イヤミな口調で言う川口に、その通りと感じつつ言い返して今日は休むことを伝えた。仕方なく了承し電話をきった川口。
明日は覚悟しといたほうがよさそうだ。と携帯を見て昨夜の事を思い出した。艶めかしく淫らな姿の涼子が写されている。今回はセルフタイマーも使ってないのに興奮で手元が狂ったのかブレているのも多かった。失敗したのを削除しても、数十枚以上もの妖艶な涼子が徹の携帯の中に閉じ込められている。
その涼子を責め続けた玩具らが押し込まれた紙袋は、部屋の隅に置かれていた。
ベッドの横に置かれた服に着替えてリビングに行くと涼子は食事の準備をしていた。
「おはよう」
涼子に声をかけると
「やっと起きたのね!」
いつもと変わらぬ笑顔で応えてくれた。
二人で遅い朝食を食べた後、散歩がてらにレンタル店に行った。少し涼子の様子がおかしい。
「借りてたの返してくるから先に選んででてね」
足早に返却すると恥ずかしそうに戻ってきた。
「どうかしたの?」
あきらかに変な涼子に聞いたが何でもないと言うばかりだった。
洋画を二本ほど借りて、スーパーで買い物をして家に戻った。
「そーいえば…さっき、どうしたの?」
涼子にたずねる。
「えっ!なにが?」
涼子は、またソワソワして少し顔が赤らんだ。
「レンタルの時だって」
何かされたのかと心配になり、もう一度きく。
「あのね…ホントは言いたくなかったんだけど…アダルト借りたの…」
もじもじ言う涼子に驚いて声も出ない徹。
「私、どうしたらいいか分からないから…徹を…悦ばせたくて…」
真っ赤な顔して話してくれた涼子を抱きしめたあと、少し離して顔を覗き込みながら
「何で、そんなこと?」
困って泣きそうな顔になる涼子を見つめた。
「だって、だって…」
たまらなくなった涼子は駄々っ子みたいに泣き出した。
「何だよ。泣いてちゃ分からないよ~」
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