W.I計画(いちのへわかなごうかんけいかく)は、彼らの中で着々と進行していた。
結局、彼女が死んでしまった場合のことは結論が出なかったようだ。
死んでしまえば、それはゲームオーバー。
しょせん中学生である彼らに次善策などないのだ。
彼女のほかに、もう一人女子生徒がいた場合には、二手に分かれて襲うことになった。
今日の音声ファイル……
「口をふさいだり、手足を縛ったりするための粘着テープやロープ。それに木刀や竹刀なんかもあったほうがいいな」
「木刀や竹刀なら剣道部が持っているよ。粘着テープは教室の備品を使えばいい。洗濯ロープなら、どこの運動部でも持っているだろ?」
「おとなしく眠っててくれれば、どれも必要ないものなんだけどな」
「コンドームは2箱でいいだろ? 1箱に3個入りだ。発射しても使えるならそのまま使ってくれ」
「ゴム、つけるのか?」
「当たり前だろ! お前の精液にまみれたオ○ンコなんかにゃ入れたくねえよ」
「あと準備するものは……」
「オレ、姉貴のタンスの奥からこれ持ってきた」
「これ?……スタンガンじゃないか!」
「5万ボルトだから気絶はしないよ。最新の95万ボルトとか110万ボルトのものなら意識を失っちゃうんだろうけど」
「5万ボルトでも、一人で夜道を歩いているときにいきなりバチバチッとやられれば、ショックで気絶するものだよ」
「とりあえず、脅しにはなるな」
「ナイフとか包丁とか……準備するのか?」
「……」
「……」
「……いや……さすがにそれは……」
「いや! やっぱり準備しよう! 処女が強姦されるんだ。相手は死にものぐるいになって必死に抵抗してくる。使うつもりはないが、準備だけはしておこう」
「それを使うも使わないも、全てはお前にかかっている! 頼むぞ! 柔道部!」
「心配するな! あんな女の一人くらい、一瞬で眠らせてやるよ!」
「おお、頼もしいなあ」
「俺はもう覚悟を決めているからな。死ぬ寸前まで絞めてやる! ふつう絞め技が決まれば4秒か5秒でオチるものだが、俺は30秒間絞めるつもりだ。完全な仮死状態にさせるから驚かないでくれよ。肉で出来たお人形さんにしてやる!」
「うう……すごい殺気だ……」
「小学生を5分間しか落とせなかったからって……」
「なに!!!」
「い……いえ……何も……」
主力の柔道部が怒ってしまったおかげで、今日の作戦会議はお開きになったようだ。
決行日の見当もついていることもあって、俺は問題をさらに先送りした。
本当にこんなこと、俺が解決しなくてはならないの?
どこか別のクラスの生徒がやってくれりゃいいのに……
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