その後、あの痴漢はどのような罰を与えられたのだろう。
気にはなったけど、あまり思い出したくないので放置してました。
ある日、一人の男性から話しかけられました。
「この画像はキミだよね? 違うかな?」
見ると、例の証拠写真でした。
違います、私ではありません・・・。
「本当に? 何十枚もあるんだけど、絶対にキミだと思うけどな」
何十枚も・・・一体どこから・・・?
「ほら、コレなんか凄いよ。バレたら、もうお嫁に行けないよ」
本当に私ではないんです、もう行っていいですか・・・。
「でも今のキミの写真と一緒に流出させたら、どうなるかな?」
そんなのはダメです、絶対に止めてください・・・。
「間違いなく同一人物だと思われてしまうだろうね」
だからお願いします、変なイタズラは止めてください・・・。
「それなら本当のことを話してよ。嘘はいけないよ」
私は痴漢の捜査に協力して、最終的に写真を撮られた説明をしました。
「よく解ったよ。じゃあ俺とも付き合ってくれるよな?」
付き合うって・・・恋人ってことですか・・・?
「(そういう意味じゃないけど、まぁいいか)あぁそうだよ」
でも・・・そんな・・・。
「キミみたいなエッチな女と付き合おうって男は他にいないぞ」
私、エッチな女ではありませんけど・・・。
「このエロい写真を見てみろ。エッチな女に決まってるだろう?」
そんな、あぁどうしよう、私・・・。
「痴漢されてた時、どう思った? 気持ち良くなかったか?」
気持ちいいなんて、そんなこと・・・。
「では、裸にされてた時はどうだった? 濡れなかったか?」
濡れるなんて、そんなことは・・・。
「絶対にないか? 思い出しながらオナニーしてるんじゃないか? 」
・・・・・・・・・。
「ほら、してるだろうが。本当にスケベな女だよ」
そんな・・・スケベだなんて・・・。
「だから俺の女になれよ。な、いいだろ?」
だって・・・。
「お前みたいな女、俺以外の男は相手にしてくれないぞ」
そうなんですか・・・では、あなたとお付き合いします・・・。
「じゃあ早速だけどチンコ握ってくれる?」
えっここでですか・・・?
「そう、ここで。もし満足させられなかったら罰を与えるからね」
はい、頑張ります・・・。
直接握らされて、シコシコ、ゴシゴシ、と数分間。
「全然ダメ。では罰ゲームね、ちょっと一緒に来てよ」
「ところで何歳なの? 今、何をやってるの?」
20歳、専門学校を卒業したばかりで、今は家事手伝い・・・。
「なんだプーか。それなら毎日暇だよな」
そんなことはないけど・・・。
着いたのは広場の一角、そこにレジャーシートを広げていく。
フリーマーケットですか・・・?
「そう。これから売り子をやってもらうからね」
並べられた商品は、特に珍しい物ではなく、極々普通な物ばかり。
価格も特に安くもないけど、こんな物が売れるのかな。
「もっと胸元を緩めてね。スカートはミニだから問題ないな」
・・・・?
「これから客を集めるけど、視線や行動は大目にみてやれよ」
彼は、あるサイトで情報を流し始めました。
≪○○広場のフリマにガードが緩々の美人店員発見≫
≪暑さのせいか胸のボタンを外してる、ミニスカ、下着は白≫
≪色々と質問しながら目の保養、申し訳ないので少し購入≫
こんな情報につられて来るお客さんなんているのかな。
そう思っているうちに、一人の男性が売り場に近づいて来ました。
「ちょっと見せてもらっていい?」
はい、いらっしゃいませ・・・。
この男性はどっち? 偶然に寄っただけかも。
私の携帯にメール、彼から≪サービスしろよ≫の文字が。
それで正座していた脚を崩して座り直しました。
男の視線がスカートの中へ向かうのを確認。
「あのさ、ソレなんだけどね。いくらになるのかな?」
えっと・・・ドレですか・・・?
前かがみになりながら商品を確認すると、男が胸元を覗き込みました。
ネットの情報を見たのか不明だけど、そういうお客だと理解しました。
男は立ったままで指差し、私は四つん這いで対応。
明らかに私が持つ商品を見てなくて、視線は開いた胸元ばかり。
「彼女に確認するから、そのまま持っていてくれる?」
そう言うと、取り出したスマホを私に向けました。
えっと・・・。
どうしようと考えている間に、数枚の写真を撮られてしまいました。
すると男は「また来るね」と何も買わずに帰って行きました。
彼にメールで報告すると、スマホを片手に戻ってきてくれました。
「うん、成功、成功。あれで良いよ」
でも、何も買ってくれませんでしたよ・・・。
すると彼の手からスマホが私に渡されました。
≪情報はマジ。コレは記念写真。笑えるくらい店員は大甘≫
そして顔は写ってないものの、私のブラチラ写真もアップされてました。
さらにカキコミは続く。
≪顔は? 美人って本当?≫
≪美人というより可愛い。顔入りもあるけど、さすがにマズイだろ≫
≪いいじゃん。一人占めするなよ≫
≪ダメダメ。自分で行って撮ってくればいいだろ≫
≪遠い。今からでは無理。頼む≫
≪仕方ないな。顔はダメだけど≫
そこには私が背中を向けた時の全身写真、とパンチラ。
こんなの困るんだけど・・・。
「まぁいいじゃないか。お前のことを可愛いって言ってくれてるし」
そういう問題ではなくて・・・。
「もう少しサービスしよう。乳輪まで見える程度にブラをズラせ」
そんなの嫌だよ・・・。
「ほら、何人も来たぞ。早くしろ。今度は俺も居てやるからさ」
まぁそのくらいならいいか、と言われた通りにしました。
やって来たのは、冴えない感じの三人の男達。
バラバラに話しかけてくるので三人組ではないのかな、と。
お客が三人なので、どうしても一人だけは相手ができなくなる。
でもその一人は静かに商品を眺めていてくれたので助かりました。
今回は彼が居てくれたからか、商品を買ってくれました。
お客さんが居なくなって、彼に話しかけました。
良かったね、今回は普通のお客さんだったね・・・。
「お前、盗撮されてたのに気付いてなかったの?」
えっ・・盗撮・・・?
「本当に大甘なんだな。まぁ自然な画が撮れてて良いかもな」
盗撮って・・・今ですか・・・?
「そうだよ。地面にバッグを置いてた奴がいただろう?」
あ、あの静かなお客さんですか・・・?
「そうだよ。しかし、どんな動画がアップされるか楽しみだな」
どうして注意してくれなかったの・・・?
「バカ言うなよ。大繁盛に繋がるのに邪魔できるかよ」
信じられない・・・。
翌日から大勢の男性客が訪れ、フリマは大盛況でした。
どんな情報が流れたのかは怖くて確認していません。
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