女は図太いもので、昼間の爛れた関係が有っても、夫の前では、その事をおくびにも出さず、普段通りに過ごす。
明かりを消し窓を開け放った寝間…何時ものように軽い寝息を立て、ぐっすりと眠る夫を横目に、てる子は彦則との情事を想い浮かべ自問自答をしていた。
…夫の元に嫁いだ時には生涯、夫に尽くし操を立てる…
と思っていたはず、処女で嫁ぎ夫との初夜…
連日に渡る夫との交わりは長くは続かなかった。
元来、淡白な夫は仕事の疲れも有り次第に、てる子を抱くのが少なく成っていた。
23歳で嫁ぎ、てる子は性の悦びを深く味わう事もなく、それでも我慢出来ない日もあり、そんな時は夫に隠れ自慰をする日もあった。
翌日も真夏の日差しが照りつける中で、てる子は朝食の後、洗濯をする。
彦則との情事で汚れたシーツを洗い物干し竿に干すと、
昨日の事が思い出される。
家続きの作業場で夫は仕事を始めている、その仕事を手伝うのが彦則であった。
てる子は内職の傍ら電話番をしていた。
昼少し前に取り引きから電話が入り、夫は昼から取り引きに行く事になる。
昼前に夫は昼食を取る。
夏の日差しで洗濯物は直ぐに乾き、外で乾いたシーツを彦則に無言で手渡す。
「叔父さんが出掛けたら家で待ってる」
彦則は卑猥な表情を浮かべ耳元で言う。
昨日の爛れた光景が脳裏に、はっきりと浮かび上がる。
※元投稿はこちら >>