第23章 - スルー・ザ・ファイヤー
後から抱きしめられながらバスタブに浸かり、軽く寝息を立て始めたかおりの左の耳たぶに軽く歯を立てる。
「あっ、グレッグ様、寝てしまいました。申し訳ありません」
「気持ち良さそうで起こせなかった」
「やはりグレッグ様はお優しい」
「心配するな。縄と蝋燭を手にしたら、優しいままでいるのは困難だからな。
先に出てるからシャワーを浴びるといい」
バスルームから出ると、大きめのグラスに氷の塊を入れてストレートティーを注ぐ。喉の渇きを潤すと、バッグから縄の束、蝋燭とローターを取り出す。モールや車の中で、ローターを使うのを忘れていたことを思い出し苦笑いがこぼれる。その分、まったく想定もしていなかったランジェリーショップの出来事を考えるとプラスマイナスでゼロ以上だったと、ほくそ笑みが浮かぶのが自分でもわかった。
「お待たせして申し訳ありません」
バスタオルを身体に巻いて現れたかおりに、ストレートティーのグラスをあずける。
「おいしい」
「じゃあ、口移しで飲ませてくれ」
大きい一口を口に含んだのが膨れた頬でわかり、何事にも一生懸命なかおりを表していると微笑ましく感じるとともに悪戯心が沸き起こる。
口移しで飲ませるために顔を寄せてきたかおりの両頬を指先で押す。当然、自分にアイスティーがかかってしまう。
「かおり、下のだけじゃなく上の口でも潮を吹いてしまうんだな」
「グレッグ様って、本当に悪戯っ子。私の受持ちのクラスにもいました、女の子にまったく同じことをした子が」
「そうか、その子の将来が心配だな。それとも楽しみか?」
「楽しみです。悪戯っ子ですが、意地の悪いいじめはせずに、クラスの男の子からも女の子からも人気があるんです。
その子が本当は思いやりのある優しい子で、照れ屋さんだから悪戯することを、クラスのみんなが理解してるのだと思います。
グレッグ様も、そんなお子さんだったのが目に浮かびます」
クスクス笑うかおりの態度が照れ臭くもあり、手を引いてベッドに連れて行くとベッドに大の字で横たわる。
「さあ、おまえが溢したアイスティーを口で拭き取ってくれ」
かおりの吹き出したアイスティーは胸から腹部を伝わり分身にも達していた。かおりは覆い被さるように舌先を使い胸から丁寧に舐め始めた。最初はひんやりと感じた舌先が熱い吐息により熱を帯びていくのがわかる。
四つん這いになり乳房や乳首の感触が分身に伝わると、血流が集まり始めた。乳房に手を伸ばし分身に強く押し付ける。分身の硬度や膨張率が増すのと正比例し、かおりの乳首の突起も大きくなる。
やがて乳房の柔らかい感触を膝が感じると、かおりの熱い吐息と手のひらの感触が分身に伝わる。
そのままの姿勢で手を伸ばしベッドのスイッチボードのBGMスイッチを操作する。最初に聴こえたのはFMラジオなのかDJの英語だった。スイッチのアップボタンを押すとハワイアン、タンゴ、シャンソン、カンツォーネ、ゴスペルと続きクラシックの知らない曲が流れた。
今の気分には合わないため更にスイッチを押す。聞き覚えのあるピアノの旋律にスイッチを押さずにいるとラフマニノフの協奏曲第1番だった、かおりもラフマニノフと気付いたようだが、気分的には女性ボーカルのバラードが聴きたかったため更にスイッチを押す。
ピアノの旋律により曲調が変わる愛しのレイラに続き、曲名は知らないがいかにもというレッド・ホット・チリ・ペッパーズが聴こえた。同じロックでも、イギリスとアメリカと別けているのか、クラシック・ロックとモダン・ロックなのか、フェラを受けながらも芸が細かいと感心する。
そろそろターゲットとするジャンルだろうとスイッチを押すとマイケル・ジャクソンのバラードが聴こえる。そして予想通りチャカ・カーンの官能的な歌声にほくそ笑む。彼女の最大のヒット曲になった「スルー・ザ・ファイヤー」だった。
しばらく操作する必要が無くなったスイッチパネルから離した手で、かおりの手を引きあげるとそのまま唇を重ねる。呼吸が苦しくなるほど激しく舌を絡め、貪るように激しいキスをしながら、お互いの位置を合わせる。
かおりのクレバスは蜂蜜を塗ってようにスムーズに分身を受け入れると一気に奥まで呑み込んだ。
チャカ・カーンの曲に合わせチークダンスを踊るかのように腰の動きをリンクさせると長いストロークが生まれ、曲のエンディングに向かいテンポを無視した激しく短いストロークでふたりのリズムを合わせると、かおりの喉からはチャカ・カーン以上に官能的な喘ぎ声が発せられる。
やがて曲がビヨンセの「シングル・レディース」に変わると、かおりはビヨンセのダンスのように激しく腰を降りながら身体を大きく反らしながらも分身の根元に3回大きな波の到来を示す証を残した。
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