第22章 - モーメント・オブ・トゥルース
虚ろな目でバスルームのタイルに座り込み、肩で息をしているかおりは全身の力が抜けたのか、立ち上がろうともしない。
コックを捻りバスタブに少しぬるいお湯を張り、ドリンクバーの冷蔵庫を調べに行った。ミネラルウォーター、カクテル、ビールと一通りのものが揃っているが、目をひいたのがが、フリーザーの扉を開き見つけたロックアイスだった。
袋を破り、大きな氷の塊を掴むとバスルーム戻る。身を屈めかおりのショートボブにキスをすると、ふと我に帰ったかおりが顔を上げ眩しそうに微笑む。
ショートボブの額の部分を左手で抑え、おでこに唇を当てたまま右手で掴んだ氷の塊を左耳の下辺りから首筋にかけてゆっくりと滑らせる。
「あっ、冷たい。。。。」
熱を帯びているせいか、氷の軌跡には一筋の水の流れが残される。その
軌跡を舌で辿ると、かおりの体温を感じた。
「さあ、そろそろ儀式を始めようか?」
かおりをバスルームの壁に押し付けるように後から激しく突き上げていた時の荒々しさは治まっていた。白いブラウスを着て座り込むかおりの胸元は、ブラウスの生地を押し上げるほど突起する乳首の位置を明確に示している。
自身の分身を握ると、その照準に狙いを定め、筋肉の一部に力を込める。
「あぁん、グレッグ様。。。。」
左の乳首は薄い黄色に色を変えたブラウスの生地に透かし出され、濡れた生地は乳房に張り付き、くっきりとシルエットを浮かび上がらせる。
「かおり、鏡を見てごらん。聖水を浴びてどうなっているか」
その姿は、シャワーを使ってのリハーサルで、かおり自身がセルフタイマーで撮影したお気に入りの写真と変わらないはずだ。ただひとつブラウスが薄い黄色に変色していることを除いては。。。。
「ああん、私が撮った写真と同じです」
「違うだろ?おまえに注がれているのは本物の聖水だろ?」
「グレッグ様のぺニスから。。。。お顔に掛けてくださ」
左右の乳房に聖水を浴びると、まるでローションを塗り込み乳房をマッサージしているかのような動きを見せる。
吹き出す聖水の勢いが少しずつ弱まると照準を乳房から、かおりの顔に変える。
顔に温かい液体が掛けられると、左手で猫が顔を洗うような仕草をし、右手は流れつく液体を集めるようにクレバス上を前後する。
「お口に。。。」
短い言葉を発すると、かおりは口を開き放物線の距離を徐々に狭めている。やがて放物線の存在が消える。。。。すべてが出尽くしたからではなく、放物線を生み出していたものを口内に納めてしまったためだ。
「かおり、いい子だ。溢さずに飲めるか?」
返事も出来ずに必死に飲み続けるかおりの姿に、再び全身の血流が一点に集中する感覚を覚える。
かおりは、口の中に注がれる聖水の流れが止まり、分身がむくむくと体積や硬度を増して行くことを感じながら、更に激しく乳房やクレバスを弄ぶ。
「んぐ、んぐ」
感じているのは喉の奥で発せられる声にならない喘ぎだけではなく、自ら前後に振る腰の動きでわかる。
「かおり、出すぞ。。。。さあ、どこに欲しい?」
「あっああん、いくぅ。。。いくぅうう、乳房に。。。。グレッグ。。。様ぁあああ」
足元に吹き出した、かおりから発せられる大量の潮を眺めながら、ブラウスのボタンを外し、白い液体を直接乳房にぶちまける。
肩で息をしながら、乳房に掛けられた白い液体を指先で伸ばすと左右の乳首に回転運動を加える。
荒い呼吸が少しずつ治まるのと冷静さを取り戻すのは正比例しているようだった。
「私はグレッグ様のお好みの可愛いM女でしたでしょうか?」
「可愛いM女になってたよ、よく頑張ってくれたな」
「グレッグ様に喜んでいただきたくて、無我夢中でした。同じことをやれと言われても二度と出来ないことばかりです」
「そうだな、たった1日だけM女になりたいという決意だから出来たんだろうな。。。。一緒に風呂に入ろうか? 少しリラックスしたら仕上げに縄で縛って、蝋燭で赤い花を描いてやる」
後から抱きしめてバスタブに寄り掛かると、かおりはあっという間に寝息を立て始めた。肉体的にも精神的にも疲労困憊してしまったのだろうか?それともM女への憧れが達成した満足感や安心感なのだろうか?このまま少し寝かしてやろうと思っていた。
かおりには仕事の責任が増し、子育ての時間が今以上に削られることから、主従関係を持つことには興味があっても現実的では無かった。そのため、たった1日でもM女になりたいと希望したのだった。
そして、かおりは1日だけ可愛いM女だった。その瞬間を造り上げたのは、正に真実の瞬間、モーメント・オブ・トゥルースと言えるのかも知れない。
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