第12章 - サラウンディド
ショッピングモールの中を、男たちの突き刺すような熱い視線に頬を染めているかおりは、意外にも同性の視線の方が恥ずかしいと告白した。
人目に付きにくい物陰で胸元に手を添えると乳首が突起している感覚がダイレクトに伝わる。激しく揺れる乳房の先端で、ワンピースの生地に直接刺激を受けることも原因だろう。
ワンピースの裾を捲り上げると、淡い水色の下着は見事なグラデーションを見せている。
「かおり、びしょびしょに濡らしているじゃないか」
「恥ずかしいです。見られるだけで、こんなにも。。。。」
「後ろから見ていると、結構女性も見ているのがわかるよ。同じようにしてみたいと思う女性もいるのかな?」
「下着を見に行こうか?そして昼飯を食べよう」
かおりの後ろから歩きながら見付けたランジェリーショップに連れて行く。カラフルな可愛い下着から、セクシーな露出度の高い下着までバリエーションが豊富だ。
「これだけあれば、好みの物が見付かるだろう。選んでいてくれ、後で呼ぶから」
「わかりました。グレッグ様の好みの物が良いのですが、何色がお好きですか?」
「そうだな、淡いピンクが似合うと思うよ」
そう言い残すと、次の作戦の準備だ、かおりにアナザーワールドを経験させるために。
店内には客は見当たらず店員がふたりいるように見受けられる。商品を物色しつつフィッティング・ルームの位置を確認する。
「いらっしゃいませ。プレゼントをお探しでしょうか?」
かおりの存在を認識していない店員は、男性客を怪しく思ったのかすぐに声を掛けてきた。
「いや自分用ですよ。女装が趣味なんで。。。。と言ったらどうします?」
二十歳そこそこの店員は答に困っている。かおりの幼稚園の若い先生たちも、この子位なのだろうと思った。
「いや、連れはそこにいるんだけ。ブラの正しいサイズを計った貰えるのかな?」
「かしこまりました。お計りいたしますよ。メジャーを持って参りますので少々お待ちくださいませ」
若い店員がレジの後ろに戻り店長なのか年上の店員に何やら話し掛けると、店長らしき女は引き出しからメジャーを取り出す。
その間に、かおりを呼び寄せると、対応してくれた店員と店長がふたりで現れた。暇潰しになると考えたのか、そんなことを男性客が頼むことを不思議に思ってのことなのか。
「お待たせいたしました。お計りいたしますのでこちらへどうぞ」
若い店員が、かおりに声を掛けてフィッティング・ルームに歩き出す。
若い店員はメジャーをかおりのアンダーバストの辺りに巡らせる。
「正確に計ってもらうならワンピースは邪魔なんじゃないか?」
かおりを含めた女性たちは一瞬フリーズしたように動きを止めてしまう。
「さあ、かおり、ワンピースを少しずらしたらどうだ?」
さすがに店長は冷静を装うが、若い店員とかおりは顔を赤く染めてしまっている。
一瞬の躊躇の後、かおりは前開きのワンピースのボタンを外し始める。ふたりの店員が固唾を呑んで見守る中、上半身のボタンを外されたワンピースはするりと床に落ちる。
同世代の店長と、自身が教育指導をする若い教諭たちと同世代の店員に囲まれて、かおりはパンティだけの姿でフィッティング・ルームに立ち竦む。左手で両方の乳房を隠し、右手で鮮やかなグラデーションを見せるパンティの濡れた箇所を隠しながら。
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