母親の顔色が冴えなく、今までの様な明るさも失って居た。
その原因は従兄弟の結婚だった。
親戚一同が集まり賑わう中で母親がだけが浮かぬ表情に見えた。
昔の事で自宅で行われる披露宴は、いつの間にか宴会に変わり延々と行われて居る。
母親は私を寝かせる為に、私を連れて一旦、家に戻る。
風呂を沸かす間に、私も母親も着替えをした。
真新しい学生服を脱ぎパジャマに着替える。
その横で母親も着物を脱いで行く。
その様子を眩しげに眺める私。
襦袢が肩口から脱げ落ちる時には子供ながらに、ゾクッと身震いする程に艶かしかった。
薄いピンク色の腰巻きが解かれる。
下着一枚の母親の体。
突然に、あの時の母親の姿が浮かんで来た。
スリップを身に付けブラウスを着込みスカートを履く母親。
その様子を、じっと眺める私に気づいた母親は笑顔を見せ。
「お風呂湧いたかも、早く入りなさい」
と言う。
一階に降り、風呂のお湯加減を見ながら母親は
「丁度良いわよ入って」
と言って来る。
私は着替えたパジャマを脱ぐ。
自分では感覚は無かったが裸に成ると、私の物が、ピョンと上を向いてしまって居た。
母親も私の、そこを見たが何事も無いかのように、バスタオルと着替えの下着の仕度を始めた。
少し恥ずかしい思いをしながら私は風呂に入る。
想像しただけでも、こんなに成るんだ!
と思い、ひとりで恥ずかしい思いをして居た。
体を洗おうと立ち上がった時に、風呂の戸が開き母親が入って来た。
父親としか入った事の無い私は驚いた。
「今夜は、父さんは未だ帰らないから母さんが一緒に」
母親の言葉に私は心臓の鼓動が激しく成るのを覚えた。
間近で見る母親の肌は、例えようも無いくらい綺麗だった。
「母さんの裸見るのは嫌?」
母親が言う。
私は慌てて言葉を否定する様に顔を振る。
「一緒に浸かろう」
母親に言われ二人では、かなり狭い浴槽に体を沈めた。
嫌が上にも体が触れ合う。
正直、その感触が私には堪らなく心地よい物であった。
「今まで、ごめんね、お前には嫌な思いをさせて来て」
ポツリと母親が言う。
「でも、もう、あんな事は無いから、今日で全てが終わったから」
哀しげな声で言う。
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