掃き溜めがスマイルと呼ばれるようになるのは社会に出てからである。
私はある時気付いた。笑顔以外の顔が作れない事に・・・。微笑んだ顔がデフォルトになってしまったかの様に・・・。
社内での、私の評価はどうやら好評だった。私の顔は、他の人間より崩れていなかったようで、微笑む顔が好印象を与えたようである。私は、小中高に学んだ処世術に感謝した。
そう容姿と微笑みは、他人が思っている以上に有効だった。
等しい仕事量の同期より先に出世し昇給した。小さなミスは笑顔で遠ざけ、上司の下らない戯言に微笑んだ。
そして、2年と少しで私は部下を管理する立場になった。男と女、各一名である。
上司の命令をわかり易く要約し、部下に伝える。この行為を繰り返す内に、私は確信と言うべきものに触れたのである。
人は、落ちるべき時がある。
当初、反抗的な態度であった部下を屈服させた時の事だった。
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