脱衣場の洗面台の鏡に写る自分の裸体を見ながら、無意識に我が体に手を這わせてしまう。
鏡の中で乳房を這う手先は智之を想像していた、自分自身を愛撫するように手先は美智子の体を這い回る‥中年に成り弛み始めた体‥手先は妖しく乳房から腹部へと伸び、更に下へと‥鏡に写る自分を眺める美智子は、その表情の淫らさに更に体を熱くして行く。
手先が股間に沈もうとした時に、着替えの中に隠した携帯の振るえる音に、ハッと我に返った。
「智之君からだわ」
携帯を開くと智之からのメールが何通も届いていた。
着替えも忘れメールに見入る美智子。
内容は決して過激なものでも無く、美智子に対する想いが書き連ねてあった。
一気に美智子の心は若かった時代に戻り、甘酸っぱい快感が美智子を覆って行く。
着替えを済ませた美智子がリビングに戻ると、夫や娘は既に居なく美智子は家族の気配を伺いながら再び携帯を開いた。
何度も読み返し、やがて美智子は智之に返信をした。
暫く待ったが智之からの返信は無く、少し哀しく思い寝室に向かおうとした時に智之から返事が返って来た。
フッと気づくと深夜の2時を過ぎている、若い智之とのメールに熱い想いを抱いてしまった美智子は、ある日はパートが休みで、その日は娘も補習で学校に行き当然、夫は仕事で家には夕方まで美智子一人と話てしまう。
智之からの返信は、その日に会いたいとのメール、美智子はお昼を一緒に食べよう‥と返事を返した。
翌日にパート先で智之と顔を合わせ、美智子は少女の様に胸が高鳴るのを覚え、それを誰にも悟られまいと自分自身を抑えるのに必死だった。
それは智之も同じ事で、それでも時折、美智子を見ずには居られ無かった。
たまに目が合い、周りの人々に気づかれぬように笑みを返す美智子。
約束の日、予定とは随分早い時間に智之は家に来た。
「まだ全然、お昼の準備も出来てないのよ」
リビングに招き入れ智之に言う。
「何も無いけど、ジュースで我慢してね」
リビングに居る智之の前にグラスに注がれたジュースを差し出す。
「おばさん‥」
「あっ!ち‥ちょと待ってぇ、ダメょ‥お願い」
形ばかりの抵抗をする美智子だが、直ぐ智之の唇を受け入れて行く。
「お願い、こんな所でダメょ、誰か来たら困るし」
美智子は思い詰めたように、こっちに来て‥。
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