もう少し寒くなりはじめた屋上にゆきと米沢が並んで座っている。
「あまり話した事なかったよね?」
「うん。キャラ違うし?」
「石川さんは…いつから?」
「あー。昨日。」
「そんな最近だったんだ。」
米沢が伸びをする。
「まだ顔臭いかも。」
ゆきが精子をかけられたあたりを撫でる。
「何回も洗ったのにね。」
「あはは。学校やめちゃおっかな。」
「それも手だよね。」
「画像ばらまかれちゃうかな。」
「あ、そっか。それは困るね。」
「うん。」
風が吹き抜け、一瞬の沈黙。
「「ねぇ。」」
二人同時。
「石川さんからいいよ。」
「あ、うん。名前なんていうの?同じクラスなのに知らないなんて変だよね。ごめんね。」
「私は米沢美優。みゆって呼んで」
「うん。わかった。私は石川ゆき。ゆきでいいよ。」
「辛い事だったけど、友達出来たから、チャラかな。」
「そうだね。プラス思考で考えなきゃ死んじゃいそう。」
ゆきの渇いた笑い声が屋上に響く。
それを一陣の風が奪い去った。
ゆきがすっと立ち上がり、スカートのお尻をほろう。
「行こっか。あ、みゆもなんか言いたい事あったんだよね?」
「ううん。ゆきと同じ事だったから。」
「そっか。」
ゆきは笑って手を差し延べる。
みゆはその手をとり立ち上がる。
二人は手を繋ぎ、屋上を後にした。
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