まだ空が薄暗い時間帯に、美紀は家を出てきた。
自宅のある住宅街から5分も歩けば大通りに出られ、もう真理子はハザードランプを点滅させながら車を停車させていた。
メイクもバッチリ決めて、上半身も新調したらしいゴルフウェアを身に着けて待っていた。助手席側のドアを開けて、乗り込むと彼女は鏡で自分のチェックに余念がないようだった。
……あら、早かったじゃない……
この気合の入れようはからいったい何時に起床して準備をしていたのか、美紀は思わず想像して呆れてしまった。
………何が早かったじゃない……じゃないわよ……
美紀はそう言い返してから真理子の下半身を見やり、溜息をつく。それっぽいジャージを履いているがどうせ夫の手前、ミニスカートを履いてこれなかったのだ。どこかのコンビニにでも寄って、ミニスカートにでも履き替えるつもりに違いないのだ。
案の定、目についたコンビニへとハンドルを切った彼女……。よく年甲斐もなくあんな短いスカートを履けるものだと、見ているこちらが恥ずかしくなるミニスカートに着替えてきた。そんな美紀は膝上10センチ丈のゴルフ用タイトスカートを履くのでも、かなり勇気を振り絞ったというのに……。
そうしてゴルフ場に到着し、彼らと対面を果たす事になったのだ。
……さあ自己紹介も済んだことだし今日は貸し切り
ですので、お互いに気お使わず各々で自由に
過ごしましょう……
あっそうそう、お昼にクラブハウスに集合で
すよ……
リーダーらしきひとりが声掛けをして、それぞれコースに散らばることになった。真理子ったら、あんなにはしゃいじゃって………。嬉しそうにベアを組んだ若い彼と意気揚々に歩いていく彼女を、ある意味羨ましく思い、美紀はあの青年に向き直る。
どういう顔をしていいのか分からなくて、去っていく真理子たちの後ろ姿をもう一度眺めた。美紀は知っている。真理子は今のポジションを、自分の実力だけで得たわけではないことを。
俗に言う枕営業という概念が独り歩きをしているけれど、水面下では密かに今でも遂行する者がいる。真理子もそのひとりで、彼女から告白を受けたときには信じられなかったものだ。ちょうどその頃の彼女の家庭は夫の失態で危機にあり、自宅を手放すがどうか検討しなければいけない状態だった。
企業をクライアントにもつ真理子はタイミングよく大口の契約が取れるかどうかの瀬戸際にあり、先方の提案を飲まざるをえなかったのだ。つまりはベッドを共にすることであり、複数回を我慢すれば昇進の道が開け、グンとボーナスが上がる。
スタイルが良く身なりも綺麗な真理子は、お誂え向きのターゲットにされたのだ。大企業のその相手とは年増好きのまだ32歳の若き専務であり、性格は別として鍛えたいい体を持て余していたのだった。
性格に難がありながら仕事の出来る人間というのはどこにでもいて、その専務は典型的な人間といってもよく、しかもイケメンなのだからたちが悪い。専務は真理子の体に溺れ、真理子もベッドでの専務の逞しさに溺れて夢中になったという……。
つい数年前のことで、以来の真理子は人を見ては若い相手を今でもつまみ食いをしているらしい。
きっとあの下にはアンダーパンツは身につけてはいないのだろうと、ミニスカートを揺らして去りよく真理子の後ろ姿を見やった。
……じゃあ、僕たちも行きましょうか……
これが青年の肉声を聞いた、初めてだった。見た目通りに爽やかな声で、あの日のことなどまるでなかったかのように微笑みを向けてくる。美紀は白々しいと思わないでもなかったが、羞恥心を拭いきれず顔を見ることもできずにいた。
青年は自分を卓だと改めて名乗り、手取り足取り嫌な顔をせずに丁寧に教えてくれた。美紀は初めてではないものの久しぶり過ぎて、情けないくらいボールが真っすぐ飛ばないのだった。
自分の性格上つまらないものには興味が失せるものだが、青年が根気強く教えてくれるものだから邪険な態度は見せられない。それどころか甘いマスクで励ましてもくれて、腕を振る仕草が素敵だとか、スタイルがいいからゴルフウェアが似合うとか………。
とにかく自分の腕前を卑下することもなく、美紀は青年との時間が楽しくて仕方がなかった。あの体験も2人の秘密として、共有する気持ちを持てば気恥ずかしいけれど背徳感に変えられる。
パターを打つときなどは何パターンも練習をさせてくれて、一緒にしゃがんで地面の凹凸や草の生える向きを読むことを教えてくれた。その中でもドキドキさせられたのは、背後から体を重ねて手を重ね、パターを何度も打つ作業をしたことだ。
お尻に青年の下半身が密着し、背中もピッタリくっつけられたのだ。そしてお尻に青年のモノの形が露骨に分かり、時間の経過と共に硬さが顕著になっていくのだった。それでも青年は何事もないかのように態度を変えず、ピッタリとお尻に重ねてくる。美紀も黙って青年に従ってパターを打ち続け、体が熱くなってきたきたのは気温が上昇してきただけではないことを悟っていた。
卓はスレンダーながら程よいサイズと形の美紀のお尻が心地よく、そのふくよかな感触が血流を一箇所に集中させることを自覚していた。電車の中とはいえ一度は挿入を果たし、胸を愛撫しながら下半身の奥の温もりを堪能したのだ。
纏わりつく粘膜が温かくて、動かし続けるうちに強かに締め付けてくる。できることならあのまま最後まで感じさせたかった。それくらいこの人の感度は素晴らしくて、快感を深く堪能する経験値を持っていたのだ。
それにしてもこの人はポロシャツのボタンをすべて閉めずにいるのは、わざとなのか……。
上体をかがませた時に、黒いレースのブラが丸見えなのだ。ネイビーのポロシャツだからブラが黒くても不思議ではないが、カップの半分から上がシースルー素材って、普段からこんなに見えないお洒落をしている人なのだろうか。
綺麗な人だが融通が利かなそうで、一見は気難しそうに見える。それでも内に秘めた欲求は確かなもので、堪らなかった。この人とひとつに重なりたい……彼女ももう、その気になっているはずだから……。
………ちょっと熱くなってきましたね、木陰で休憩
でもしませんか?
青年の提案に、美紀は素直に頷いた。もうずいぶん前から喉がカラカラに乾いていたのだ。2人はコース脇の樹の下まで移動して、水筒で喉を潤していた。短く刈り取られたばかりの草の上に腰を下ろすと、短いブッシュの陰にに隠れたようになる。
美紀はすぐ隣から熱い視線を感じて、緊張をしていた。恥ずかしくて青年の顔を見られず、無意識に逸らせる。その顔を何気なく戻したとき、唇が重ねられていた。突然のことにびっくりして押しやろうとしたが、あの日のように舌を吸われて体の力が抜けていく……。
自分の中の淫らな美紀が、覚醒した瞬間だった。
ボロシャツを捲り上げられ、ブラのホックを外される。青年が胸の頂に舌を這わせるまでを見届けると、盛大な吐息を漏らしていた。
スカートの中に、手が侵入されていく。膝上10センチ程度の丈だから、アンダーパンツは着けていない。ブラとお揃いのショーツが、引き下げられていく。
心の準備が整わず抵抗を試みるが、無駄だった。
足から引き抜かれるとスカートの中に顔を入れようとする彼を 美紀は渾身の力で阻止をする。汗をかいているし、シャワーをしていないそこを口で愛撫をされるなんて恥しすぎる。
でも彼は、一枚上手だった。膝から上へと太腿の内側に柔らかい唇を押し付け、舌先を動かされては狡い……。力が抜けた隙を逃さなかった彼は、次の瞬間には難なく秘部に口を辿り着けさせるのだ。
美紀があっ!……っと気付いたときにはもう遅く、彼の頭を押しやるはずの両手は、その頭を抱えて意図せずに撫で回す自分がいた。
秘裂を舐め回される激しい羞恥、一点を集中的に舐められ吸われることの痺れるような快感……。
屋外で秘め事に及ぶことの不安と、得体の知れない興奮が美紀を狂わせていく。敏感な蕾を座れるたびに人には見せられないほど口を開け、舌先を動かされると髪の毛を振り乱す……。
不意に美紀の下半身が地面から浮き上がり、激しく弾む動きを見せた。
青年が顔を上げるとぐったりした美紀が、樹木の幹に背中を預けながら唇を震わせていた……。
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