ありがとうございます、それではよろしくお願いいたします……失礼します……
羨望との商談が成立し、清々しい気持ちで外に出た。今日は季節外れの南風が入り込み、コートを着ていると少し暑く感じる。
会社に連絡を入れるとよほど上司も嬉しかったらしく、今日はそのまま直帰してもいいとお許しが出た。少し遠方まで足を伸ばしていたので、貴子は遠慮なく褒美を受け取ることにした。
有り難いことに乗り換え無しに一本で帰宅できる沿線なので、それも有り難い。1時間余計に電車に揺られなければならないけれど、帰宅ラッシュにはまだ早い時間なのだ。
駅のホームに立っていても夕方前の風は暖かく、貴子はついに着ていたコートを脱いで腕にかけてしまった。程なく到着した電車に乗り込み、ドアの前に立ちたかったけれど後ろに並ぶ女の子にさり気なく譲り、貴子は吊り革を選んだ。
貴子の前にはお年寄りと疲れたサラリーマンらしき中年の男性と女性が並んでいて、疲れているからかこの陽気のせいか、居眠りをしている。
次の駅に電車が到着すると不意に女性が立ち上がり、貴子に会釈をして慌ただしく降りていった。
たった一駅で目の前の座席が開くなんて、こんな日もあるのね……なんて、貴子は滅多に座ることのない座席に腰を降ろさせもらった。
まるで就寝時間にはまだ早く、何をして過ごそうかと心躍るような気持ちになる。こんなこともあろうかとバッグに忍ばせていたのだ雑誌を取り出した。
簡単に折り畳んだコートを膝に乗せ、バッグをお腹に引き寄せて雑誌を開く。割りと薄手に見えるコートだけれどダウンコートなので、ふわふわして膝が温かい。
雑誌は温泉を特集したページを開き、いつかは行ってみたい温泉旅館が掲載されている。食欲をそそる美しい料理、どちらも試したくなる内風呂と露天風呂。あぁ…いいなぁ…と、温泉旅館へ意識が飛んでいく。
そんな妄想が突如として、打ち破られる。
太腿の横に違和感を感じたのだ。明らかに触られているその違和感は次第に露骨になり、貴子は可能な限り横に身体をずらす。一番端に座る位置とはいえ、数センチ隙間を開けるのがせいぜいである。
その程度では相手の障害にはならず、コートの下で指先が這い上がってくる。貴子は隣に座る中年男性をキッ…っと睨みつけるが、居眠りをするふりを続けている。勢いよく立ち上がろうにも乗客の注目を浴びたくはない。
貴子は雑誌を持たない空いている手で、男の手をガードした。けれど男も簡単には諦めずガードをしては立ち向かい、振り払っても執拗に向かってくる。こうなったら意地でも諦める気はないらしい。
貴子はあくまで平静を装って視線は雑誌に落としながら、コートの下で手首からしただけで男との攻防戦を繰り広げていく。太腿の内側を目指して這い進んでくる太い男の指を、掴んでは引き剥がし、スカートの裾を引き上げられては阻止を繰り返す。
能面のように表情を崩さず目は文章を追うこともなく、雑誌を見ているようで内容は入ってくることもない。神経は常にコートの下にあり、攻防戦の場は太腿の横から上に移り、やがて太腿の内側へとずれ込んでいく。
相も変わらず攻防は続けられ、男の勢いに押されてスカートの中へと攻防戦の場がずれていく。
焦る気持ちが空回りするだけ。貴子は必死に太腿を閉じて、今度は太腿の合わせ目に潜ろうとする男の太い指を、必死に引き剥がそうと躍起になった。
入り込まれてしまえばどうしょうもなく、閉じた太腿を交互に持ち上げて最後に足掻きを展開させていく。やがて小指が触れ始めると次々に他の指も到達し、本当にどうにもならなくなってしまった。
条件反射で膝が開き、次の瞬間にはなぜか完全に膝が閉じられない事態が発生する。貴子は思い出した。先方とのやり取りで取り出した名刺入れをバッグに戻さず、コートのポケットに入れたことを。先方との会話に間を開けたくなくて、バッグには後で戻すつもりで忘れてしまっていたのだ。
それが今コートのポケットの中にありながら膝の間に挟まり、こんなときに限ってつっかえるだなんて……。
男の人差し指なのか中指なのかが敏感なところに届き、滑りの良いパンストの上から触れてくる。指先を引っ掛けるように上下に動かし、グラスの中を掻き回すマドラーのように、指先を起点にしてくるくると動かしてくる。
雑誌を掴む貴子の両手に力が入り、血色がなくなった指先が白くなる。ザッザッザッ…と、男の指先が砂を掻くように動かされ、貴子のある部分に血流が集まっていく。
ショーツの中でフードの中から顔を覗かせはじめた蕾が、覚醒してしまった。雑誌の文字が歪み、引き結ぶ唇が薄く開いては閉じる。小さな鼻の穴が繰り返し膨張し、勢いよく空気を吸い込んでいく。
ビリッ……っと股間に嫌な感触を覚え、パンストのそこが破られたと自覚する。薄手のショーツ越しに生々しい刺激が伝わるから、間違いはない。これでどこまで堪えられるかではなく、堪えるしかなくなってしまった。
自分でも無意識に動いてしまう腰が嫌だけれど、どうしょうもない。ショーツの一部を持ち上げる小さな突起を男の指が摘み、抜き取るように離してはまた摘み、すりすりと摩擦を施していく。
思わず声が出そうになって、貴子は前屈みになると咄嗟に顔を雑誌に埋めてしまった。吊り革を掴む乗客の一人が貴子の行動に気付いたけれど、そんなに面白い内容の雑誌なのかと訝しがった。その程度のことですぐに興味が失せ、車窓に向けた目で見るともなく流れる景色を眺めていた。
灯台下暗し、近すぎる場所には注意は払われず、意外にも気に留める人はいないものだったりする。ショーツがずらされて直に触れられる快感に肩を震わせる貴子に、人の壁が立ち塞がるだけ。
座席に座れない乗客は理不尽な嫉妬で興味を示す人は皆無であり、貴子はひとり快感に翻弄されていく……。
男の手首が奥へとめり込み、ずぶずぶと然るべき入口から侵入開始する。自由に動かせない分だけ指先が中に留まり、ピンポイントに刺激が加えられる。
貴子はいつしか男の肩に頭を預け、快感を享受するだけになっていた。
にょりっ……にょりっ……にょりっ………
温もりのある柔らかい洞窟の中で気持ちのいいところに刺激を受け、薄く開いた貴子の唇から吐息が漏れる。男の肩にもたれ掛かる貴子の頭は、髪の毛が顔を覆い隠し、口に掛かった毛先が吹きかかる吐息でその都度持ち上がる。
男は貴子を征服した悦びに気が大ききなり、1度指を引き抜いてショーツの上部から手を侵入し直した。再び指を挿入すると手の甲でショーツを膨らませるように、ピストンをさせる……これが何より好きなのだ。
クロッチに染み込んだおりものなのか愛液なのかが手の甲を濡らし、指は複雑な形状をした柔らかい膣壁の粘膜に触れている。あぁ……この中に入れてみたいものだ……。
男の煮えたぎる欲望が貴子の手を引き寄せ、そっと自分の股間に導いていた。
バレるかもしれない恐れ、激しい嫌悪感、羞恥心を越えてしまった貴子は水面を漂っていた。目を閉じているとあの夢うつつの中で、狂おしい快感を味合わされた過去の記憶が呼び起こされる。
手の平に盛り上がりを覚え、その形状から無意識に形を確かめるように指を動かしてしまう。なんということか、欲しくて堪らない……。
あぁ……欲しい………。
ズボンの上から擦ってくる貴子のその態度に、男は決めていた。
電車が減速をはじめると貴子の手を取って立ち上がり、ホームに降り立った。
どこに向かうかと思えば、最後部の車両に乗り込だのだ。
どう見ても男性ばかりしかおらず、彼等は不思議と貴子たちのスペースを開けるように道を開けていく。そこは車掌のいる空間と壁を隔てた隅っこであり、貴子はそこに追い込まれて背中を壁に預ける格好で佇んでいた。
自分を見詰める乗客たちの目が突き刺さる。貴子は本能的に自分は獲物であり、彼等は捕食者である狼なのだと直感した。つまりは痴漢の常習者たちの集まりであり、逃げ場はないのだと……。
彼等は互いに協力体制をとり、貴子の持つバッグとコートを奪い去った。両手を拘束されてしまうとパンストごとショーツも脱がされ、ひとりがそれを口と鼻に押し付けていた。
恐怖と嫌悪感に顔を引きつらせる貴子の片膝が持ち上げられると、濃い無精髭を生やした男よろしく恥毛の生い茂る貴子のマンコが露わになった。
散々刺激を受けた性器は大陰唇がふっくらとしていて、小陰唇も充血からやや膨らんで口を開けている。愛液で艷やかに輝く粘膜が男たちの興奮を煽り立て、貴子としては羞恥心と憤りを呼び起こされた。
自分を見詰める目、目、目………それを片っ端から睨みつけ、鬼の形相で噛みつかんばかりに怒りの視線を突き刺していた。でもそれは狼の群れに囲まれたチワワの強がりに過ぎず、身を捩って抵抗を見せる貴子のブラウスのボタンが外されていくごとに、怒りの炎の勢いが萎んでいく。
キャミソールを押し上げられ、ブラジャーも排除されると思わず貴子は顔を横に背けた。豊かな白い乳房が露わになり、座席で貴子を指で凌辱していた中年の男が熱り立つペニスを取り出した。
息が詰まる、太いものが奥まで届き、身体が揺れはじめる。壁に接触する背中が上下に擦れ、苦痛が薄れゆく代わりに快感が貴子を支配し始めていく。
何とか声を我慢しても表情まではどうしょうもなく、切なげに喘ぐかのような貴子の表情に男たちがざわめく。
「おぉ~っ………」
中には床にしゃがみ込み、結合部を覗き込む輩までいる始末。いやらしい水音を鳴らしながら白く白濁した分泌液が溢れ出て、所々の恥毛に纏わりつきながら大粒の雫となって、内腿を伝い落ちる雫と糸を引きながら落ちていく雫とに別れていった。
同類に貴子の片脚を持たれて楽に腰を躍動させる男は嬉々として腰を打ち込み、毛先を口に加えた貴子が男の肩に埋めていた顔を持ち上げる。
忙しなく抜き差しを繰り返されるのと比例して、甘く切なく堪らなそうに感じる女の顔を、惜しみなく男たちに見せつける。
不意に呻き声をを上げた男が貴子の中に精液を放ち、「ふんっ……んんっ…!」っと、身体をぶるるっと震わせた。
ローヤルゼリーのように艶のある濃い精液が貴子のそこから伝い落ちていく。
片脚を下ろされた貴子が別の男にしがみつかされると、さらに別の男が後ろから打ち込んでいく。
3人目からは本気の喘ぎ声を上げるようになり、4人目からは獣のような声を上げ、男のYシャツに唾液の染みを広範囲に作るまでになっていた。
おかしくなるぅっ………死んじゃうっ……
ある者は貴子の片脚を肩に担ぎ上げ、腰を打ち付けるように……。
またある者は両膝を持ち上げて貴子を宙に浮かせたまま……
またある者は後ろから両方の乳房を鷲掴みにしながら、ねちっこく、ねちっこく………
達しても達しても終りが見えず、最後は誰かの膝の上で狂っていたような気がする。
疲れ果ててしまった。
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