窮屈な肉の入り口を潜り抜けると、繊細な凹凸を感じさせる膣壁に迎えられた。感覚的にそれはまるで鶏皮の表面の小さなポツポツとした、無数の小さな突起を連想させる魅力的なアプローチ……。
その先に進むと急に狭まったかと思うと、緩やかに波打つ壁に導かれて突き当りに到達する。腰を引いて入り口付近まで後退させて再び泥濘む洞窟の中を行ったり来たり、なんて温かくていやらしいマ○コなのだろう……。両手で括れた腰を掴み、この女性の感じる場所を探り探り腰を前後に躍動させていく。
ペニスを半分近く進ませた辺りで、良い反応が見られることに気付く。血圧測定器のように膣壁がキュ〜っと収縮し、その辺りを中心に抜き差しを執拗に繰り返す。すると膝の力が抜けるのか腰の位置が下がり、ユラユラと揺れる女性の頭が持ち上がり始める。ゆっくりと俯かせた頭が途中まで持ち上がり、腰の動きを早めると弾かれたように跳ね上げて頭頂部をこちらに向ける。若い男は闇の暗さに慣れた目でぼんやりと見える女性の白いお尻、そこから出入りを繰り返す自分のペニス、下げたり上げたまま揺らす女性の頭を交互に眺める至福の時を味わっていた。
汗で金属製の柵を掴む手が滑る。閉じてしまいそうな瞼を意識して開き、逃れようのない快感に我を失いそうになる。申し分のない大きさと硬さを備えたペニスが自分の下腹部の中を、無邪気な子犬が走り回るように動き回る。真弓の予想に反して突然奥まで突進され、最も深い旨味を味合わされる。
立っていられなくて膝から力が抜ける。それを男によって強制的に腰を支えられ、断続的に子宮口をノックされてスクリーンを見詰める視界が歪んでいく……。
不意に甥っ子が身体を捻り、首を伸ばして真弓の姿を探す、油断も隙もない。若い男は腰の躍動を止め、女性に対応する余裕を与えてやる。
真弓はかろうじて作り笑顔を見せる。
まったく子供って、どうして途中で不安になるのだろう……。
真弓の姿を確認した甥っ子は顔に笑みを浮かべ、嬉しそうに手を振って見せる。ほら、見逃しちゃうわよ……と、口パクとスクリーンを指差すジェスチャーで前を見来なさいと、映画鑑賞の続きを促す。えへへっ……そんないたずらっぽく笑う甥っ子は何がそんなに嬉しいのか、真弓とのコミュニケーションに余念がない。
そんな時しびれを切らした若い男の腰の躍動が、見切り発車をする。焦りを覚えながら真弓は努めて不自然にならないよう心掛け、映画の続きを観なさいとジェスチャーを続ける。次第に高まってくる快感に膝を重ね合わせ、姿勢が崩れないように耐え忍ぶ。それでも揺れ動くセミロングの髪の毛は誤魔化しようがなく、背筋に冷や汗が流れていくのを真弓は表情を引きつらせながら自覚する。
あぁ駄目、待って……。お願いだから、今は……。
いぃ………もう我慢できなくなる……。
腰を密着させ最奥部を突かれて、そうかと思えばロングストロークに切り替えられ入り口から奥まで貫かれる。
にゅ〜〜みちゃっ、にゅ〜〜みちゃっ、にゅ〜〜みちゃっ……みちゃっみちゃっみちゃっみちゃっ…
巧みに攻め方を変えられ、あの手この手で攻めてくる。真弓は思わず口を開き、声を上げる代わりに吐息を吐き出すだけに留めることに何とか成功した。焦点が定まらなくなりそうになることを堪え、太腿に爪を立ててとろけそうな快感に抗う。
大好きな伯母とのコミュニケーションに満足した甥っ子がやっとスクリーンに視線を向け、真弓は色情に染まった女の顔に戻る。切なげな表情へとし、無意識に腰を後ろに突き出してしまう。
じわじわと収縮を繰り返す膣壁に若い男は苦悶を顔に浮かべ、汗を滲ませた額をスクリーンの明かりに輝かせながら顔を天井に向ける。腰の躍動を止めることなく視線をあちこちに走らせ、快感から意識を切り離そうと努力する。けれど所詮は悪あがきに過ぎず、迫りくる射精感に必死に抵抗をする。
あぁ駄目、いっちゃいそう……。
待って、嫌っ…………
あぁ…いく……、いっちゃいそう……
いっちゃう………いく…………………
いっ…………くっ…………
逃げ場のない膣の中で強烈に締め上げられ、若い男はその麻薬のような快感に抗うことを諦めた。
引き抜くことさえ忘れ、真弓の膣壁に魅了されながら白い樹液を解き放っていた。
喉を絞ったような、うっ!……そんな短いささやかな声を上げて放出するたびに打ち付け、脈動をしては絞り出していく………。
真弓は膝をわなわなと震わせ、目を閉じた顔の唇もまた小刻みに震わせていた。
その場にペタンっと座り込む真弓を今度は中年男が抱き起こし、赤黒く血管を浮かせた太い杭を静かに埋めていった。若い男は休まず腰を動かし続けていたとはいっても、せいぜいが十数分くらいのもの。年季の入った中年男はそうはいかない。
ペニスの耐性があり経験値も高い男は焦らずじっくりと時間をかけ、強弱を使い分けながら真弓を官能の世界に引きずり込んでいく。
ぬっちゃっぬっちゃっぬっちゃっぬ〜っちゃっ…
ぬ〜っちゃっぬ〜っちゃっぬ〜っちゃっ………
ちゃっちゃっちゃっちゃっちゃっぬ〜っちゃっ…
金属製の柵に体重を乗せた両手が掴み、怒らせた両肩を時おり短く痙攣させる。先ほどのようにブラウスの中に侵入させた両手で豊かな両胸を揉みしだき、乳首を弄びながらも腰は動かし続ける。
同じペースを保ち、真弓から汗の匂いが漂い出したころ頭を激しく降り出す姿が男心をくすぐる。
声を出しまいと苦しげな吐息を途切れ途切れに吐き出し、弓なりに反らした背中を前後に弾ませながら果てる真弓……。
2人の男は着ている薄いアウターを脱いで足元のコンクリートに置くと真弓を仰向けに寝かせ、盛大に正常位で貫き出した。排卵日間近の真弓の身体はその感度の高まりから否応なしに狂い、注がれる快感のすべてを享受して酔いしれる。
揺らす胸、汗で額に貼り付いた髪の毛、時に破顔させ時に恍惚に染まる表情が中年男を楽しませ、精子を求める真弓の身体が射精を促すべく締め付けてくる。
真弓を抱き起こし、抱き締めながら突き上げる。
肩に顔を埋める真弓が耳元で聞かせる息遣いと、卑猥な甘い声が堪らない。
気がつけば真弓も無意識に腰をうねうねと動かして、半狂乱さながらに乱れ狂う……。汗の匂い、性に奔放になった真弓の姿に中年男の興奮も上昇していく。
そして、真弓の奥深くに中年男の分身が解き放たれた。
せめてものエチケットにハンカチで局部を拭き取ってやり取り、真弓は緊急避妊薬代を手に握らせられていた。通常ならば、受け取ることはなかっただろう。それほどまでに感覚が麻痺をし、そのときはまだオーガズムの余韻が尾を引いて思考が正常に働かなかったのだ。
その後に怒りと悲しみ、羞恥心と自己嫌悪、性病に罹患していなかったことと妊娠回避の安堵感に気持ちが休む暇がない日が続く日々だった。
なのに………。
2ヶ月後、普段は絶対にしない濃い目のメイクに眼鏡、痴漢されやすそうなワンピースを身に着けた真弓の姿は、とある映画館の前にあった。
忌み嫌いながら嫌悪の対象になってしまったのにその反面、誰にもいえない真弓の性癖になってしまったのだった。
嫌なのに暗闇で犯される興奮、嫌なのに吹きかけられる男の息、汗臭さ、その体臭……。毎月やって来る生理と同様に、周期的にくる排卵期。生物学的に交尾を促すために高まる性欲。今月もまた、その排卵日へと近づく周期がやってきたのだ。
堪えて堪えて、堪えても堪えきれないあの快感。
脳と身体に刻み込まれてしまった快感は、努力して忘れられる次元ではなくなってしまったのだ。
1ヶ月目はどうにか堪えられた。でも2ヶ月目になって、身体の疼きに居ても立っても居られなくなってしまった自分がいた。
真弓は男が溜まった性欲を吐き出す場所を考えて、最も近づきたくない成人映画館を調べ、変装までしてついにやって来てしまった。
入り口でチケットを購入し、真弓は未開の地へと足を踏み入れるためにその扉を開けていた。
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