程よくリクライニングされた背もたれから絶妙に揉みほぐされる刺激が背中を上から下へと移動し、下から上へと折り返していく。
同時に腕、太腿から脹脛も同様の至福が繰り返す。
その最中に揉み解さるれるお尻の筋肉とは如何なる動き見せる肛門と膣、内臓の最深部の裏にあるインナーマッスルが数秒置きに収縮と弛緩を繰り返していく。
複数の箇所が同時に違う刺激を伴うことに脳がついていけず、お尻の位置をずらそうにも意外なことに身体が言うことを聞いてくれない。
苦痛ならばそれを避けるために身体が動くのに、肉体が癒やされる至福と性的な感覚が重なることに、なぜだか抗らえない………。
如何でしょうか、刺激が強い弱いは個人様の好みもありますからご遠慮なく仰っていただければ、調整いたします………。
如何なさいますか………?
そう言われても、優子は言葉に困った。
と言うよりも出来れば声を発すると、見透かされそうでどうにか曖昧な表情で誤魔化してみる。
でも係員の彼は優子の仕草や態度、その表情からもう分かっていた。
あらかじめ試運転を繰り返して男女問わず社員が体験しているのだから、女性が下半身への刺激をその組み合わせ次第では、どうなるかだなんてそれは百も承知……。
意外と鍛えるのが難しい箇所を刺激してくれますから、女性には評判だとデータが示しているんですよ………。
あれ、まだ少し弱いでしょうか……。
あまり強くしても良くありませんから、少しだけ出力をあげてみますね……。
これまでよりも膣と肛門の収縮が強くなり、敏感な所が露骨にぎゅっと力が入っては、はっきりと弛緩する反応が強くなる。
触れられてもいないクリトリスが強制的に勃起させられ、ぎゅっとなる時と弛緩する瞬間に何とも言えない快感が湧き上がる……。
羞恥心と背徳感、誘惑と理性の葛藤がひしめき合ってどうすればいいのか分からない………。
男性にいま迫られたら、拒絶する自信がない……。
鼻先に人参をぶら下げられたような状況に陥った優子の顔のすぐ横に、係員の彼が立っている。
顔を横に向ければ彼の股間が至近距離にあり、その誘惑に優子は必死に抵抗する。
お客様、お仕事はディスクワークですか……?
少しストレートネックの症状が見られるようですね、ここに指を当てると………如何でしょうか?
頭の後ろに回った彼が両手を首の後ろに差し込んで、軽い指圧をしてくる。
心地いいのだけれど、肌に触れられた感覚のほうに敏感になってしまう。
随分と肩が凝っていらっしゃいますね………。
小声で囁く彼が指を肩へと這い進ませ、すぅ~っと胸元まで下がる。
軽く指圧をしながら胸に触れないように下まで下げて、胸を持ち上げるように触れてきた。
ハッとして自分の手を彼の手に重ね、剥ぎ取るつもりだったのに優しく揉む彼の手に重ねたまま動かせない………。
欲しいんでしょ……?
誰にも分かりませんから、大丈夫です………。
着ている衣類を胸の上まで捲りあげられ、優子にとっては大人の女性のお洒落………。
男性の彼にとっては、そそられる以外の何物でもないフランス製のブラジャーが現れる。
カップの上半分がシースルー素材、レースの鮮やかさが引き立ち目が奪われる。
背中へと繋がるサイド部分も淵のパーツを除いてシースルー素材が贅沢に使用され、乳房を支えるカップの下半分だけが唯一透けていない。
まるでウエディングドレスを彷彿させる白さを放ち、その下の肌の白さが際立つ………。
構いませんよね…………?
下半身への刺激で妙な声が出そうになる。
そんな優子の返事を待たず、背中に回した彼の手がホックを外してブラジャーを上に持ち上げる。
恥ずかしくてどうにかなりそうなのに、大き過ぎず小さくもない豊かな乳房に見入る彼……。
白い乳房のアンダーにあるほくろより、茶色へと変化しつつある勃起した乳首に魅入られて優子の頭側から身体を倒して口に含む……。
舌に弾かれて首を振る乳首を捏ねくり回し、吸い上げてはねっとりと舐め回す……。
その刺激に収縮と弛緩を繰り返す膣と肛門、力が入ったり抜けたりするクリトリスが加わって自制が効かない……。
足側に回った彼が優子に了解を求めて、その顔を見る。
表情で拒絶を示したつもりだったけれど、優子の意思は彼には伝わらない。
だらしなく乳房を晒したままの優子は両膝を曲げられ、スカートの中に差し入れた両手でブラとお揃いのショーツを引き抜かれていく……。
同じように透けた前側から黒々とした恥毛が透けて見え、足からショーツが取り去られると全貌が彼の目に晒される。
色素沈着したビラビラが秘唇を縁取り、溢れ出た愛液で涎のように濡らしてしまっている。
恥丘の両側を整えられた恥毛が生い茂り、その上まで綺麗な形に揃えられていた。
下半身への刺激を送り続けるスイッチが切られ、やるせなさと逃げ出したい気持ち……。
羞恥心で身を焦しているのに立てた膝を乗り越えて、太腿までスカートを捲りあげられた股の間に顔を埋める彼から優子は目を離せないでいる。
彼の舌が秘唇を割った瞬間、優子の頭が弾かれたように跳ね上がる。
そのまま愛液を啜る唇がクリトリスを吸い上げ、吸着したまま蠢く彼の舌に身体を震わせる……。
蒸れた匂いに酸っぱい匂いが混ざり合い、何とも言えない女の匂いを放つ優子が腰をぷるぷると震わせ、両手で口を覆う。
何としても声を漏らすことは許されず、久しぶりの快感に身を捩る……。
我慢出来なくなった彼が優子の顔の横に立ち、おもむろにチャックを引き下ろした。
お願い出来ますか…………?
彼の申し出に逡巡を見せた優子だったけれど、むせ返りそうな男性器の匂いに、気付けば手を添えて口に含んでいた。
理性が叫ぶ………。
一体なにをしているの……と。
中途半端な硬さだったペニスが蘇ったように熱り立ち、彼が目を閉じたままお酒を飲み干したように長い吐息を漏らす……。
両手を彼の腰に添えて首を前後に振り動かし、その硬さが知らず知らずのうちに期待を募らせていく……。
初めて会った、見ず知らずの男性なのに……。
なのに……………。
下半身側に向かった彼が、両膝を持ち上げる。
その時になってようやく事態の深刻さに気付いた優子が、身を起こして嫌々をするように必死に首を振って見せる。
それに気付いた彼がペニスをあてがったまま身体の動きを止めて、優子を見やる。
けれども彼は、腰を前に突き入れていた………。
息を詰まらせた優子が顔を苦痛に歪め、深くまで挿入されて背中を反らせる。
ギシッ……ギシッ……っと、革の軋む僅かな音がするたびに苦痛は薄れ、身体が思い出したように受け入れ始める。
幾度も我が身体を貫く彼が、優子をその気にさせていく。
気持ちのいいところを繰り返し擦りあげ、奥を優しくノックする。
規則正しく躍動させる彼の腰が優子を恍惚とさせ、肉壁がペニスに纏わりついて離さない。
深く甘い快感の波が幾度も押し寄せてきて、腰が深くまで入ってくるペニスを迎えるように持ち上がる。
耐えかねたように優子の首が右に倒れ、顎が持ち上がったと思ったら勢いよく左に首を向ける。
柔らかいプリンのように乳房を揺らし、卑猥な入口が陰茎を締め付ける。
ベースの上がった彼が紅潮させた顔を歪ませて、現実に引き戻された優子が必死に懇願する。
中には出さないで………。
お願いだから、外に出して………と。
生爪を剥がされるような恐怖と危機感に首を左右に振り続け、耐え難い快感に何度も引き戻されていく……。
現実と夢が交錯し、精神的な苦痛が熱いマグマのような、狂おしい快感に溶かされていく………。
言葉にならない身体の悦びが思考を停止させ、何かかが音を立てて崩れていく………。
彼の腕を掴んだ優子が背中を反らせ、顎を上に向けて身体を硬直させた……。
身体の中に放たれる感覚にマッサージチェアの上で、接地した背中を何度も弾ませる……。
閉じることのない優子の口が、わなわなと震えを見せて動き続ける……。
少しづつ時が過ぎ行き、甘さが薄れていく。
彼の腕に食い込ませていた優子の爪が離れ、指から力が抜けていく。
ゆっくり瞼を開けた優子がぼ〜っとした目で見上げると、彼は待っていたかのように腰の躍動をまた再開させた。
嘘でしょ………!?
驚愕する優子が拒絶を示し、首を振る。
それでも黙って動かし続ける彼の腰が、収まりかけていた甘さを蘇らせる。
またあの感覚の中に、引き戻されていく……。
優子の身体は次のオーガスに備え、準備をはじめていく…………。
その濃い甘さは、もうすぐそこに迫っていた。
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