膣の中にペニスが収まった異物感が、何とも言えない。
入り口が広がったまま戻らない感覚、ペニスの形に広がった膣壁、子宮口に接触されている違和感が朧気な記憶をじんわりと引き出してくる……。
この感覚を知っている、最終的にどんなふうになっていくのかを………。
あっ…そう〜そうっ、この時期は山菜とかウドとか出てくるから、旬の物は食べてると体に良いのよ〜………。
饒舌になる老婆に朋美はただ相槌を打ち、語るに任せていく。
老婆は昔からちっとも変わっておらず、こうなると話は止まることはない。
決して逆らわず流れに沿うようにしていなければ、返って話は長くなる。
その話を聞くフリをする朋美の顔はなぜか憂いを帯びて、何処となく色気を漂わせて始めていた。
あくまで第三者の目に映る朋美は、目の前の老婆を慈しむかのようなうっとりした表情で、母性的な優しさすら感じさせているように見える。
膣の中に根元まで収まったペニスに時おり力が込められ、ピクンッ…ピクンッ……っと、その存在感を示してくる。
電車の揺れが手伝って子宮口に微妙に押し付けられる圧力、それに加えて申しわけ程度のピストンが地味に効いてくる……。
久しぶりに受け入れることの恐怖心が少しづつ溶けていくのと同時に……そう、しばらく忘れていたあの感覚が顔を覗かせはじめていた。
まだはっきりと形を成さずその片鱗を見せ始めているに過ぎないけれど、ペニスの亀頭とを隔てる壁の向こう側が疼きだす………。
それは朋美の身体が求め始めた何よりの証拠であり、朋美自身もこの久しぶりの心地良さにどこかで酔っていた。
うにょっ……うによっ……うによっ……うによっ………
子宮口に加わる軽い圧力が優しい快感のうねりを発生させ、少しだけお尻を後ろに突き出させる。
自分でも意外だったけれど、朋美は今感じているこの細やかな快感を手放したくなかった。
だって、とても久しぶりだったから………。
フキやワラビもいいわよ……ちゃんとアク抜きをしてね………。
老婆の熱弁は衰えを見せず、自分の知る知識をすべて伝授するべくさらに熱が入る。
にゅっちゅっ…にゅっちゅっ…にゅっちゅっ……
にゅっちゅっ…にゅっちゅっ…にゅっちゅっ………
恐らくは5センチほどのゆっくりした、とても短いピストンが朋美に甘〜い快感をもたらす……。
地味で派手さもなく、過剰も不過剰さもなく小規模で薄味の快感が少しづつ積み重なっていく……。
決して上り詰めるほどのものではなく、そうかと言って素朴な感覚も持続されているうちに夢中にさせられていく。
あと少し……快感の欠片を掻き集めたくて、さらにお尻を突き出してみる。
自分は何をしているのかという気持ち、そんなことよりももっとという欲求の葛藤が無いわけではない。
これくらいなら、この程度ならいつでも引き返しが出来る………。
自分で自覚している以上に官能に陶酔していることにも気付かず、朋美は酔っていた。
反り返ったペニスが膣の中で、どんどん存在感をしていく……。
膣壁がペニスを握り締めるかのように、繰り返し収縮する……。
逃げ場の無い閉塞した空間で、足元から水かさが上がってくるかのような焦りを感じる。
恐らく20分……いや、30分以上もこんなことを続けられていては当然といえば当然なのかもしれない。
朋美はその兆しをはっきりと意識している自分に気付き、気持ちが右往左往する。
通常のセックスではあり得ないほど地味なのに、今はこの場から逃げ出したかった。
自分がそうなったとき、朋美はどうなるかを嫌でも知っているから……。
朋美は甘い声を上げながら、崩れ去る自分を容易に想像が出来ていた。
逃げるなら今しかない、そう思うのに……。
身体が動かなかった……。
また快感の波が、押し寄せてきたから………。
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