人差し指、中指、薬指、小指………。
順番に指を駆使してスカートを手繰り寄せ、ついに裾を掴むところまで来た。
老婆にとってかつて近所に住んでいた家の娘が、目の前でスカートを捲り上げられているなどと夢にも思わないだろう。
サラサラとしたパンストの手触りが心地いい。
その下のショーツラインが以外にも、この年代の女性にしてはやや面積の少ない下着を身に着けていると、リアルに教えてくれる。
お尻をすべて包み込むフルバックショーツではなくて、お尻のお肉を両断するように斜め上に駆け上がり、腰骨の横まで続いている。
子供を授かることなく終わりを告げた結婚生活は下着のオシャレ感覚を鈍らせることはなく、そのスタイルと共に維持されている。
お尻から股の下を潜り抜け、彼の手首が内腿に挟まれる。
伸ばした指をくの字に曲げて、クロッチを前後に滑らせる。
何度も前後に動かすうちに、あるポイントを通過した時にキュッと内腿に力が入ることに気付く。
そこを指先を使ってのの字を描くように、繊細に動かしていく。
今度は手首を固定するように内腿に締め付けられて、朋美が顕著な反応を見せてきた。
手応えを得た彼の向こう側では、老婆の近況報告が続いている。
この前ね、友ちゃんのお母さんに苺を貰ったの。
だから筍をお返しにと思って届けたら、喜んでくれて嬉しかったわ………。
あら、そんなに気を遣わなくてもいいのに……。
いつも母がお世話になって、すいません………。
当たり障りのない言葉を選び、どうにか声が震えないように振る舞う朋美。
決して無理をしてこないのは救いだと思いたいけれど、ここに来てどうなってしまうのか不安になる。
すべては相手次第なのだから………。
不意にパンストが引っ張られる、そんな感覚を覚えて不安になった。
チッ……ビチッ!…………ビチッチッチッ…ビチッ!…
嫌な音、嫌な感覚が下半身から伝わってくる。
一体なにをして………あっ………!
そう思った時にはこれまでとは違う、そんな指の感覚を覚えた。
割れ目に食い込む指がリアルに感じられ、朋美の背筋に汗が流れ落ちる。
嘘でしょ………驚愕する朋美のそこは、パンストというバリアを破いて突破した指が、躍動を開始しはじめていた。
柔らかい秘肉に纏わりついたクロッチが、自分の指によって割れ目に食い込む。
指先を前後に揺らし、柔らかさの中にもシコリのようなものを感じる場所を、小さな円を描くように擦っていく。
手首を挟む内腿に力が加わるのを感じ、同時にお尻もギュッ…ギュッ…っと収縮と弛緩を交互に繰り返す。
触れている指先は浸潤してきた愛液に濡れ、指先同士を擦り合わせると間違いのないヌルッ…っとした感触を覚えていた。
姉とは違うと分かってはいるけれど、自分好みの女性がここまで興奮しているとあって我を忘れ、止められない……。
貼り付いたクロッチを指で浮かせて横に寄せ、剥き出しになった性器に触れる。
土手沿いに強かに生え揃う恥毛に出迎えられて、溝に沿って辿り着いた柔らかな粘膜状の塊を撫で回す。
飛び出たり顔を隠したりを繰り返すクリトリスが指先に触れ、ぷりぷりとしたその身を踊らせる。
そのたびに膝を震わせる朋美が、膝を曲げようとして堪える回数が増えてきた。
すっかり覚醒した老婆が子供の頃から知っている朋美に久しぶり再会し、喜々として話しに夢中になっている。
聞き手に徹するしかない朋美はこのカオスの中、不意に深い皺を眉間に刻む……。
彼の指が中へと、挿入された瞬間だった……。
ずいっ…ずいっ……と、抜き差しされる指は朋美にとっては違和感でしかなく、久しく遠ざかっていた膣の粘膜が逃げ惑う。
ちっとも気持ち良いものではなく、指の躍動に耐えなければならない……。
くっちゃっ…くっちゃっ…くっちゃっ…くっちゃっくっちゃっ…くっちゃっ…くっちゃっ…くっちゃっ
数年間もご無沙汰だった膣壁が、指の刺激によって何かを思い出したように変化を遂げていく。
指を受け入れ始め、防御の姿勢から享受する方向へとシフトする。
忘れていた感情を思い出したかのように動き出し、朋美の脳へとある感覚を伝達していく。
待って、ちょっと何これ……やだ……待ってっ………
思い出した快感が朋美を動揺させ、老婆に向けられる笑顔を引き攣らせる。
瞬きの回数が増えていき、気を紛らわせようと唇を噛み、舐めては静かに吐息を漏らす……。
受け応えの返事は短くなり、うん…そう…ふふっ…そうなの…あらそうなの…それで…やだ…そうなんだ………。
あらゆる簡素な言葉を駆使してこの場を凌ぎ、やり過ごそうと努力する。
くっちゃっくっちゃっくっちゃっくっちゃっ……
くっちゃっくっちゃっくっちゃっくっちゃっ……
身体が溶けてしまいそうな快感に、笑顔が不自然になっていく。
潤み始めた瞳、揺れる腰……曲がり始めた膝が吊り革を掴む指に力を加え、ぶら下がるまではいかないものの上半身がやや前傾し、お尻が後ろに突き出されていく……。
愛液塗れになった2本の指を引き抜いて、ズボンのポケットから取り出したハンカチで彼は丁寧に拭い取る。
それを仕舞うとズボンのチャックを引き下げて、少しだけ難儀して熱り立ったペニスを取り出した。
素早く周囲に視線を走らせ、安全を確かめる。
再び朋美の着るコートのスリットを潜り抜け、指で手繰り寄せたスカートを持ち上げる。
戻りかけたショーツを指先に引っ掛けて脇に寄せると、指で角度を合わせて押し当てる……。
会話に夢中の老婆が朋美から視線を外したわずか数秒間、朋美に変化が起こる。
眉間に皺を寄せた朋美が不意に、弾かれたように頭を跳ね上げた。
子宮口に届いた感覚に、止めていた息が熱を帯びて吐き出される。
車窓に向けられた朋美の瞳は、何も見てはいなかった………。
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