15時になった。
最後のお客様がいなくなるのを待ち、シャッターが降ろされる。
部下たちの報告から今日も、滞りなく業務が終了したことを知った。
谷村美希は43歳で管理職のポストに就き、年齢を考えれば順調とも言える昇進を果たしていた。
職場の銀行を後にして駅に向かう道すがら携帯に着信が来た事に気づき、バッグから取り出してその画面を見てひとり笑顔を浮かべる。
それは、招集を知らせるものだったから……。
夜勤を終えて帰れると思ったのに、人手が足りないということでその日はぶっ通しで勤務をこなしていた。
いつものことだけれど、41歳になった体には堪えるようになった。
若い頃は何でもなかったのに……と、岸田悠華は着ている白衣をハンガーに掛けて内科医の肩書きを降ろし、私服のアウターに腕を通すと職場の病院を後にした。
年齢にしては短いタイトスカートを身に着けて、惜しげもなく太腿を露わにパンプスを鳴らしながら大地に足を踏み降ろす。
本当はハイヒールのほうが絵になるのだけれど、いつでもある事に対応出来るように、履くのを控えていた。
不意にバッグの中でバイブレーションするスマホに気付き、手にして操作する。
画面の文字を見てバッグに仕舞うと、駅に向かって歩く速度が上がった。
だってある意味で、女の幸せを感じられるのだから……。
いつ人に見られても良いように背筋をピンと伸ばし、背中から腰へとタイトスカートを履いたお尻まで緩いカーブを描き、プロポーションを誇示をする。
マナー講師として姿勢の良さの模範を示さなければならず、だらしのない体形では説得力がない。
ホワイトボードの文字を消し去り、勤務を終えた三原亜依は知的なその42歳の顔を彩るフレームレスレンズの眼鏡を外し、コンタクトレンズを瞳に被せる。
何気なく手に取ったスマホを眺め、溜め息をついてバッグに仕舞う。
そのスマホに着信を告げる音が亜依の耳に届き、慌てて画面を操作すると、マナー講師にあるまじき唇をペロリと舐める仕草をしてしまった。
恥もへったくれもなく、色情の炎が灯る。
一ヶ月ぶりにあれを味わえることを思えば、行動は早くなる………。
部屋の証明のスイッチを切り、戸締まりをすると早足にエレベーターに飛び乗って職場のビルを後にした。
年齢を重ねる度に増してゆく性欲を今は抑え、やって来たバスに軽やかに乗り込んだ………。
とあるターミナル駅に到着した面々は見知った顔も入れば、よく知らないけれど仲間であろう人もいて、ちょっとしたツアー並の人数が集まっていた。
いよいよ電車に乗り込むと車両の3分の1ほどを埋め尽くす、女だらけの集団が出来上がる。
見た目はどこにでもいそうな姿のアマゾネス軍団に、一匹の逃げ遅れた子羊が取り囲まれていた。
可哀想に彼は女性専用車両だったかと、所在なさげに不安な表情をしている。
持っていたカバンを胸の前で両手を使って抱きしめ、最低限できる限りの防衛策を取っている。
痴漢に間違われたらひとたまりもない、そんな彼の感情がそのまま透けて見えて気の毒ですらあるけれど………。
無常にも彼女たちは………痴漢はこちら側なのよ……と、仲間の誰もが心の中ほくそ笑んていた。
あって無いような隙間が彼女たちによって包囲網が狭まり、彼を前後左右から豊かな乳房が押し付けられる。
太腿に両側から股間を密着されて、身体の向きをずらせば図らずも正面の女性の下半身に、片膝がめり込んでしまう………。
バッグを抱える手の甲に柔らかい乳房が密着し、その持ち主の女性が冷たい視線を向けてくる。
やめてください………。
恥ずかしくないんですか、こんなことをして……。
よく出来ますね、こをんなこと………。
ちょっと、やめてください………。
周囲の女性たちが次々にクレームを口にして、彼の頭に冤罪という言葉が現実味を帯びてきた。
泣きたくなって違うと必死に首を振ったけれど、彼女たちの目は疑いに満ちて怒りの炎が見えるようだった。
絶望が駆け足でやってくるのを感じ、辞表ってどういうふうに書くんだっけ………。
そんなことを考えるまでに追い詰められていた。
それにしてもこの年代の年増の女性も、悪くないなぁ………。
30歳になったばかりの彼のターゲットは20代の女性だし、どう見ても40代だろうと思われるこの女性たちなんて、おばさんであるとの認識しか持てなかった。
彼の目には内科医の岸田悠華、銀行員の谷室美希の他、マナー講師の三原亜依の3人が映り、見渡せる限り周りは女性しかいなかった。
気難しくて神経質そうな3人はタイブは違えど肌も綺麗で、笑顔を見せてくれたら美人の類といえる女性たち………。
性的な対象ではなかったけれど、こんな形でなければ経験しておけば良かったと後悔の念が絶えない。
けれどもう遅い、終わるんだ、僕の人生は終わったんだ……。
暗い目をして抱きしめるカバンを握る手に力が入り、ギシッ……っと軋ませる音が鳴った。
正面で凍えそうな視線を向けていたスーツに身を包む女性、マナー講師の亜依が視線から外れていく違和感を覚えた。
横に移動したわけではなく、もちろん上なわけでもない。
膝を大きく開いて彼の両足を挟むようにしゃがみ込み、彼の顔を見上げる。
相変わらず反論を許さない、そんな冷たい表情を崩さず顔の前の彼のズボンに手を添えてチャックを下げていく………。
人生の終わりを悟らされた彼の心は考える、疑問を持つ、驚く、感じる………という思考が働かず、なぜチャックが下げられているのかが分からなかった。
下着からペニスを掘り起こされて、うっとりとした顔をした亜依がもう一度彼を見上げた………。
どうしてそこが温かいのか、彼には理解が追いつくまで時間が必要だった………。
蒸れた汗とアンモニア臭が鼻から抜けていく。
張りのない魚肉ソーセージのようなペニスを舌の上で踊らせ、味わっていく。
舌の裏側まで使って亀頭をくる〜り…くる〜りと周回させ、唇の粘膜を隙間なく密着させながら頭を前後にゆっくりゆっくりと動かしていく。
尿道の入口を舌先で細かく舐めて、亜依の体温を分け与えるように唇で包み込む。
次第に生気を取り戻しはじめたペニスに変化が見られ、膨張していく……。
気が付けば亜依の頭上で悠華が彼の唇を独り占めをして唇を奪い、美希が彼のYシャツの前を開け、胸に口を付けているではないか………。
女3人の口に翻弄されて、見事に硬く勃起を果たしたペニスを容赦なく食べさせてもらう。
硬くて熱くて大きくて、いくらしゃぶっても物足りない………。
あの青臭いとろりとしたアレが欲しいと、切に願いながら頭を振っていく。
血管が浮いて逞しくて、ぬるぬるした粘液が女の自分に潤いを与えてくれるような気がして、何度も飲み下した。
簡単にはイカせてあげない、楽しませてもらわなくては………。
射精をしそうになると口を離し、陰茎に舌を這わせてフルートのように横から唇でチュパチュバと甘咬みをする。
彼が落ち着くとまた咥えて頭を振り、悶絶する彼の顔を見てゾクゾク感を楽しむのだ。
それを何度も繰り返し、そろそろ……と思ったけれど考えを変える。
立ち上がって彼の頭を押して、しゃがませる。
彼の肩に膝裏を乗せて身を捩り、女のそこを彼の口に押し付ける………。
後は彼が勝手に本能を発揮してくれるはず………。
期待を裏切ることなくショーツをずらし、むしゃぶりつく彼の舌が暴れ回る。
声を詰まらせた亜依が硬直させた上半身をビクッビクッ……っと反応させて、彼の頭を撫でる余裕も見せる。
強く吸われて眉毛をハの字に下げ、くちゅくちゅと音を立てる彼の攻めに眉間に深いシワを刻む。苦悶と恍惚を交互に浮かべ、大人の生徒たちの前では決して見せない悩ましげに喘いで見せる。
彼の唇が包皮を持ち上げ、硬く張りのある大人の女の敏感な蕾を強く吸う………。
首に血管を浮かせた亜依の頭が持ち上がり、氷を溶かすかのように舌先がクリトリスを執拗に攻め立てる。
弾かれたように頭が跳ね上がり、苦しげな表情をした顔を力なく左右に振る………。
そして何度目かの波が押し寄せたその時………。
1度大きく弾ませた体を痙攣させて、バランスを崩した亜依を彼が抱きとめた。
ゆっくり彼女を立ち上がらせると、容赦なく片脚を腰に絡めてきた亜依が自らその体の中にペニスを沈めてしまった。
彼に抱きついて腰を揺らし、若いエキスを吸い取らんばかりに攻めていく。
彼もまた負けじと亜依を突き上げ、若さ溢れるそのパワーで子宮口を攻めていく。
熱く逞しいペニスが中を往復し、擦り上げられるその味に酔いしれる……。
絡みつく肉壁が追いすがるように包み込み、どこに逃げようとも甘味な味に歯を噛みしめる………。
彼が狂ったように腰を振り、結合部から派手な音を響かせる。
ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ
ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ
女の業が若者を狂わせ、目覚めさせた若者の業を女が飲み込んでいく………。
ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ
ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ…ヌッチャッ
うっ………!
その短い呻きと同時に、吐き出される精液が亜依の中を満たしていく………。
ドクンッ……ドクンッ………っと、脈動される感触が堪らない………。
彼から亜依が離れると、体の向きを変えられた彼の前に背を向けて振り返る内科医がいた。
悠華はスカートを上げてショーツを自分で寄せると、すでに潤った性器を見せてお尻を突き出してきた。
たった今射精したばかりだというのに有無を言わせない雰囲気に気圧されて、そのまま突き入れるしかなかった………。
同じ女なのに微妙に違う中の具合に、彼は固く目を閉じる。
こんなの拷問じゃないか………。
そんな彼の心の叫びは、彼女たちには届かなかった………。
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