一部だけ簡単な作業を残して、男は手を止める。
万が一のときの言い訳に使う為に……。
パーテイション代わりの仕切りの白い布を潜り、男は屈んだまま綾香に話しかける。
男 すいません、チェックのためにちょっと、
確認させてください………
綾香は内心でどう思っているか分からないけれど、嫌な顔ひとつ見せずに快く快諾する。
綾香 あっ…どうぞ……大変ですね……
綾香は立ち位置を少しずれて、カウンターの下に男の体が入るスペースを開けた。
本当は男にすることは何一つ、ない。
邪な目的を遂行するための、方便なのだから。
今のところ何も特段することのない綾香はカウンターの上に並べられたパンフレットの角度、それを手直しをする。
重ねられたパンフレットの束を揃えたり、腕を伸ばして向こう側の物の僅かなずれを直して角を揃えたり……。
そんな綾香の動きは下にいる男の想像を掻き立て、興奮をそそった。
綾香が腕を伸ばす仕草は膝の上にあるスカートの裾を短くさせ、太腿の見える面積が増える。
男はカウンター下から這い出して綾香の足元の後ろ側に回り、配線のチェックをするふりをする。
至近距離から見る膝裏、そしてタイトスカートに張り付くような大人の女の臀部……。
男 これから長丁場で、大変ですね……
いきなり話しかけられて少しびっくりしたけれど暇なこともあり、意外に気さくな人らしいと知って綾香は言葉を返す。
綾香 私は初めてですから、まだ分からなく
て、頑張らないといけませんね……
手を動かしながら、綾香は答える。
男 立ちっぱなしは地味に疲れるっていいま
すよね、姉が美容部員なんですよ……
綾香 あら、そうなんですか?
男 ええ、そうなんです……電車通勤だから慣れ
てるつもりでも、帰る頃は脚が浮腫って……
綾香 あっそれ、分かります……私も電車通勤で
すから、そうなんですよね…
男 私は車通勤だから分からないんですけど、
朝の満員電車は大変でしょう?
綾香 慣れもありますけど、やっぱり大変かな…
男 ほら事故とかあったら電車が止まったり、
閉じ込められたりして……
綾香 ええ、数か月前に私まさに閉じ込められ
て、困りました……
男 私は経験がないから想像がつかないんです
けどね、何が大変でした?
想像がつきそうなものなのに変なことを聞いてくるなと思ったけれど、綾香は当たり障りのない言葉を選んで言った。
綾香 満員ですから圧迫感っていうのかな、立
ちっぱなしだし………
男 そうですよね……でも、それだけですか?
綾香 人にもよるでしょうけど、息苦しさは感
じますよね……
男 感じるって、その時に痴漢の被害にあっ
てたんじゃありませんか?
貴女みたいな美女が公共の場であんなに
感じちゃって、いけない人ですね………
綾香はギョッとして、下の男を見られなかった。
心臓が鷲掴みにされたような、緊張が走る。
そのことを知っているのは一人しかいない。
あの時の痴漢、その相手しかいないのだ。
綾香 目的はなに?お金?
男 認めるんですね………。
まあそんなに警戒しないで、勘違いしな
いでください……
貴女を脅すとか恐喝とか、趣味じゃない
んですよ……
もう一度楽しみませんか、忘れられな
かったんです……貴女を………
普通なら間違いなく震え上がるか、嫌悪感を抱いただろう。
けれども綾香はこともあろうに、興奮を覚えていた。
綾香の理性は萎縮し、この誰にも悟られてはいけない状況が満員電車内と重なる不思議な感覚……。
それはとりも直さず淫欲がもたらす幻想だと分かってはいても、あの巨根の凄さを知る体が、脳が暴走を始めていた。
綾香 どうするつもり……?
本音とは裏腹に常識的な社会人としての見栄が、厳しい口調で男を威嚇する。
男 そうですね、まずお連れの方をこちら側に
こさせないでください……
私がなにをしても平気な顔をして、とにか
く誤魔化していてください……いいですね?
言い終わると男は早速スカートの裾を掴み、持ち上げはじめる。
タイトスカートが布ずれの音を発しながらお尻に引っかかり、ショーツが現れた。
なんということか、今日はパンストではなく股までしかないセパレートタイプではないか……。
お誂え向きな状況に男は嬉しくて、顔から笑みが溢れる。
ショーツは青味かかった淡いグレーをしていて、フロント側の透けた部分から顔に似合わず黒々とした陰毛が丸見えで、それがいやらしさを醸し出している。
綾香は羞恥心で体温が上がり、耳が赤くなるのを自覚した。
男は容赦なくショーツに指をかけ、引きずり降ろす……。
………えっ!……いきなり…………そんな……
足首まで降ろされたショーツが片足づつ引き抜かれ、秘唇に手が触れられる……。
綾香の体がピクンっと反応し、開かれた割れ目の中を触れる男の指に粘膜がしっとりと絡みつく。
ブースの前を行き交う人が増えて、緊張が増す。
こんなときに限って興味をそそられた人が立ち止まり、上司と後輩が応対をはじめるのだ。
恥ずかしくて2人から視線を外すものの、微笑を崩すわけにはいかない。
信じられないくらい、恥ずかしい………。
そんな綾香が目を一際大きく見開いた……。
Iラインの両側に整えられた陰毛が生え広がり、上のほうに三角形の剛毛が生い茂る様に、見惚れずにはいられない。
大人の女性らしく淫靡な色をした秘唇を開き、男は我慢出来ずに口をつけた。
ショックを与えないように静かにしたつもりだったのに、それでもピクンッと反応を示す綾香。
僅かな尿臭と酸っぱい匂いが鼻腔を貫き、塩味を感じさせる舌を優しく這わせる。
痛くない程度に吸ってみせて、舌を上下に揺らしていく。
ビンク色の柔らかい粘膜が下に心地いい。
そしてクリトリスを包み隠す包皮に舌を這わせ、可愛がりはじめていく。
ノーマルな状態でも3分の1ほどが顔を見せていて、やがて膨張して半分ほどが露出してきた。
するとすぅ~っと降りてきた綾香の手が太腿の肉を掴み、爪を食い込ませる仕草を見せはじめた。
ただでさえ首が辛いのに綾香の表情が見たくて、無理をして上目使いになり窺い見る。
気丈に薄い笑みを浮かべ、目を潤ませながら何とか平静さを保っている。
だけど閉じた唇が何度も薄く開き、口呼吸をしていることが見て取れた。
溢れる愛液を音を立ててズズ〜っと吸い取り、とにかく執拗にクリトリスを攻めたてる。
ブルブルと内腿を震わせながら、何度も腰が落ちそうになるのを必死に堪えている。
不意に綾香から緊張が伝わってきた………。
後輩 綾香さん、注文が取れそうですよ…
嬉しそうに語りかけてくる彼に、声が震えないように心かけて綾香が応える。
綾香 凄いわね、どうやったの?
後輩 誠心誠意、対応しただけですね、狡い
ことなんて上司の前で出来ませんよ……
誇らしげに、そして綾香に出来る男だと見られたくて彼は必死だった。
そして彼は、綾香の微妙な変化に気付く。
後輩 あれ、綾香さん、体の調子でも悪いです
か?……もしそうなら無理なんかしないで
、少し休んでくださいよ……
綾香 ありがとう、でも大丈夫、心配しなくて
いいから……この雰囲気にちょっと興奮し
てるのかしら………
この間もクリトリスを優しく吸われ、せわしなく動かされる舌の愛撫に爪を食い込ませる痛みで、何とか気を紛らわせようと努力していた。
ちゅう〜っ…ちゅぱっ…れろれろれろ…くちゅうっ
笑う膝を叱咤して、ゆらゆら動きそうになる腰を苦労して定位置に据え続ける。
後輩 それならいいんですけど、無理だけはし
ないでくださいね………
指が入れられる………。
動かす指に感じる所を掻き回わされて、思わず閉じた瞼を苦労をして何とか開ける。
努力して作り笑顔を見せていたけれど、わざとらしくないか自分では分からない。
男の2本の指が抜き差しを続け、無意識に唇を舐めながらパンフレットの角を揃える真似をする。
不自然と言えば不自然に見える。
そんな綾香は色気を漂わせているように見えて仕方がなくて、後輩はドキリとした。
これは自分に対して意識しているのかも知れないとそう勘違いした彼は、もっと綾香に良いところを見せたくて上司の元へ戻って行った。
男 感じやすいんだね、凄いことになってる…
下から男が卑猥な言葉をぶつけてきた。
綾香は男を見ずに、前を見たまま言った。
綾香 そんなこと、言わないで………
男 電車の中でもそうだったじゃないか……
あんなに感じて……そろそろ欲しくなった?
綾香 知らないわ……そんなこと……
男 いいのかな、そんなことを言って……
欲しくないのかな、コレを……
やっと視線を下に向けた綾香の目に、自分の股間を作業ズボン越しに擦る男の姿が映る。
電車の中でのことがフラッシュバックした綾香の体が、カァ〜っと熱くなった。
男 どうする?……このままやめても一向に構わ
ないよ、欲しいならそう言わないと……
綾香 そんなこと、言えるわけないじゃない…
男は指の抜き差しを続けながら、綾香に迫った。
男 ほらこんなに腰を落として……どうする?
本当にやめてもいいんだよ?
綾香 言わせないで……うっんんっ……
男 そうかじゃあ、ここまでだな……
言うと男は指を抜いてしまった。
綾香 待って………やめないで……
男 欲しいなら欲しいと、そう言わない貴女が
いけないんだよ……
いつまでも仕事が終わらないんじゃこっち
も困るから、そろそろ残りの仕事を終わら
せて帰るとするよ……
男の最後通告に綾香は、ついに禁断の言葉を口にする。
綾香 して、お願いだから………
男 それじゃ、分からないな……
綾香 だから……貴方のを欲しい……
男 それはつまり、どういうことかな?
綾香 だから……貴方のを…入れて…
男 はっきりと言わないと……
綾香 おっ…ちんちん……ください……
男 そんな言い方で許すのは、今回だけだから
ね……
カウンターの下から仕切りの後に回った男は、綾香の腰を引き寄せてあてがった。
綾香は不自然に見えないようにカウンターに軽く手を置いて、待った。
張りのある肉の塊が秘肉を押し退けるように上下にと擦り付けられ、力が加えられて押し付けられていく。
綾香 うっ………ぐっ……
自らの中に押し込まれる苦痛に、喉の奥から呻きが漏れる。
もしかしたらこちらを見るかもしれない上司たちから顔を俯けて、固く瞼を閉じる。
そして半分ほどが入ってきたとき、止めていた息を吐き出した。
こんなに大きかったかと涙の滲む目尻をそっと指で拭い取り、ゆっくりと動き出されることで体が揺れないように最新の注意をはらう。
出入りする巨根が入口をメリメリとする感覚に、鈍痛を覚えて耐えなければならなかった。
緊張して体に力が入っているのかもしれない。
時間にして1〜2分してからだろうか。
中を擦り上げられる感覚に、変化が訪れだした。
それは綾香の緊張していた顔の筋肉を緩ませて、目元がとろ〜んと官能の色を滲ませはじめる。
数分後の綾香はブースの前で対応に当たる上司たちの姿を目に捉えながら、男の巨根の威力に酔うまでになっていた。
ブースの前で足を止めた誰かと一瞬目が合うと、どうにか無表情をすることで快感を誤魔化していた顔を、必死に作り笑顔に変えた。
あの満員電車の中と同様に、ゆっくりとした出し入れの快感は綾香を確実に雌にさせる媚薬……。
オーガズムに達しそうで、綾香は気を抜けなくなっていた。
幾度も折れかける気持ちを奮い立たせ、綾香は耐えた。
こんな快感は、久しぶりだったから………。
※元投稿はこちら >>