「おはよ」
「おはよー」
笑顔の彼が校門で私を待っていた。
私は嬉しくて少し駆けた。
「今日のマスクは黒なんだね」
「うん、どして?」
「や、珍しいと思ってさ」
「似合ってる?」
「わかんない」
「ちゃんと言ってよ」
「・・・似合ってる」
私は嬉しくて微笑んだ。
マスクの中で『ニチャッ』と音がした。
「今日は、帰りにどっか行く?」
「ゴメン・・・今日は早く帰らないといけないんだ・・・」
「そっか・・・何かあるの?」
「・・・うん・・・ちょっとね」
「・・・・・・そっか」
「ごめんね?」
「いいよ、仕方ないよ」
廊下で手を振り、別々の教室に入るまで、ずっと手を繋いで歩いた。
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