「えー…この大変な時期に我が社に入社した君たちは…」
8時30の朝礼会では社長である末永が新人に向け激励の言葉をかけている。ざっと20人近くの新入社員の中に結華の姿はあった。
「…我が社の社訓である共存のもと…」
まるでそれは退屈な時間ではあるが、結華は今朝のことでまだ頭がいっぱいであった。
(わたし…痴漢されてた…よね…?お尻触られてたし絶対…)
「佐藤結華さん…佐藤さん」
ふと、我に帰り自分の名前を呼ばれていることに焦る。
「あ、はい!佐藤です。すいません」
「ぼーっとしないように!」
社員の方から注意を受けながら研修の配属と分厚い企業理念の資料を渡される
オリエンテーションがおわり、配属部門に足を運ぶ。結華の部門には他に5名の男女が配属された。(あぁ…私としたことが…初日からやらかしてる。しっかりしなきゃ)
新入社員同士の挨拶をおえ、部門長の牧さんから説明を受ける。
「今日から新社会人ということで、緊張していると思うけどまずは一週間会社に慣れてもらおうと思う。その中で交流をしつつ仕事の配分を決めていくね」
定時になる頃には一日の緊張が解け周りも皆クタクタになっていた。また明日からよろしくお願いしますと挨拶を済ませ、帰路に着く。ホームへの足取りはどこか重いが、あれはたまたまだと。明日からはあの時間じゃないと言い聞かせ電車に乗る。朝ほどの混雑のなさにどこか安堵しながら最寄り駅まで無事についた。
(やっぱりたまたまだったんだ)玄関のドアを閉めてから、解放された気持ちでベッドに横たわる。
「あぁ~疲れたぁぁ!えーと…明日までに記入する紙かいて理念読んで…やる事多いなぁ」と重い身体を起こしスーツを脱ぐ。
スカートに手をかけた時ふと…横にある鏡に目が行く。同時に脳裏には朝の感触が蘇る。
ゴクッ…
急に鼓動が早まるのを押さえながらゆっくりお尻に手を回す。蘇る感触が強まると同時に熱くなるのを感じた。性に関心がなく男慣れもない結華にとっては今まで感じたことない感覚である。自分でもわかるくらい下着の湿り気を感じながら頭の中はフワッと…そこからの事はあまり覚えていなかった。
身体の意思のまま結華は指を割れ目に当てながら果てたのである。
鏡の前座り込み、そのショックに泣いていた。自分でも訳がわからずにただ涙が流れた。それは悲しさでもなく悔しさでもなく…何かが壊れていく感覚。身体を洗い流し横たわり、朝の陽射しがくるまで結華は眠り続けた
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