会社に着いてからも、私は上の空だった。
ひとつの思いつきが頭から離れず、仕事に手がつかない。
ただひたすらに懊悩し、乱れた彼女の姿ばかりを思い浮かべていたら、周囲の同僚に心配されてしまった。
いつのまにか終業時間をむかえていた。私は、やけくそ気味に覚悟を決め、卓上の付箋をとると、短いメッセージをしたため、それを胸ポケットにしまいこんで会社をあとにした。
私と彼女は、帰りの時間であっても、しばし顔を合わせることがある。
私たちの帰宅する時間帯が帰宅ラッシュの時間と少しずれていることもあり、朝のように"逢瀬"に臨めるほど車内が混み合うことは、残念ながらないのだが、ときには隣り合って座るようなことも起こるため、そんな日には不思議な高揚感を味わうことができた。
きょうこの日、私は必ず彼女と再開したいと思いながら、電車に乗り込んだ。
すると、私の願いが天に通じたのか、狙ったとおりに彼女は私の乗っている車両に乗り込んできてくれたではないか。
ドアが開いた瞬間に目が合い、お互いの顔をしばし見つめ合う。
しかし、彼女は私に気づいてなどいないかのように悠然と私の目の前を横切り、空いていた三人がけのシートに腰を下ろした。
2駅ほどやり過ごしたのち、私は何の気無しなふうをよそおって、彼女の隣にどっかりと座った。
彼女は、動揺する様子こそ見せなかったものの、読んでいた本に栞を挟み、明らかにこちらの動向をうかがっている。
私は取り出して持っていた付箋を、周囲の目につかないよう、後ろ手に差し出した。
喜ぶべきことに、彼女はその手紙をサッと手に取り、本の上に出して、読んでみてくれたようだった。
その後、私は彼女のそばを離れ、吊り革につかまって、彼女の姿を観察することにした。
彼女は、付箋を本に挟んだまま、何事もなかったかのように読書を再開した。
ひと駅、ふた駅と過ぎてゆき、彼女が降りる駅に電車が滑りこんでいく。
しかし、彼女は立ち上がらない。まるで気づいていないかのように本を読み続けている。
ドアが閉まり、電車は静かに駅をあとにした。
私は心の中で快哉を叫んだ。
そして2駅ほど過ぎ、車内の人影もまばらになったころ、私の最寄り駅に電車が到着した。
……彼女が、立ち上がった。
おずおずと私のほうを見やり、慣れない足取りで電車を降りる。
私も、彼女から少し離れた位置で、ホームに降り立った。
電車から吐き出された人々がはけていき、私と彼女だけがホームに残された。
彼女は、意を決したような表情で私に近づいてくると、先ほど手渡した付箋を取り出して、私に話しかけてきた。
「◯◯駅で降りろ……って、ここで……よかったん、ですよね……?」
想像していたよりも何倍もかわいらしい、鈴のような声色。
「ええ。でも、まさか本当に来てくれるとは……」
私は、彼女と最後まで貪り合う夢を捨てきれなかった。
今までは、女性がどんなに身を委ねてくれるようになっても、最後の一線を越えようと誘いかけるような危険な真似をするほど理性がいかれることはなかったのに。
あのサプライズが私を完全に籠絡してしまった。彼女に受け入れてもらえる夢に頭を支配されてしまったのだ。
彼女は、私の声を聞いてぽっと頬を赤らめた。私が何者かちゃんと知っているようだ。そして、私の賭けは成功したように見えた。
彼女に先をうながし、並んで駅舎を出る。
そのまま易々諾々と私の後をついてきてくれていた彼女だったが、駐車場に置いてある私の車の前まで来たとき、初めて警戒の色を見せた。
「たしかに、はじめて話す大人の男の車に乗り込むのは……怖い、ですよね。でも、まぁ……いつもあんなことをしている人間が言っても、信じてはもらえないかもしれませんが、痛いことや怖いことは絶対にしません。家に帰さないようなこともしません」
私が"あんなこと"という言葉を口にした瞬間、眉間に皺を寄せていた彼女の表情がくずれた。
「俺に好き放題、痴漢されても悦んじゃうくらい、きょうみたいに、あんな格好をしてきてくれるくらい、えっちなことに興味があるんですよね?……俺が、あんなふうに痴漢することを期待して、あの格好をしてきてくれたんでしょう?」
ごくり、と唾を呑む音が確かに聞こえた。
「もっと先まで"えっち"、してみたいって思いませんか?」
……
ラブホテルを探して街道沿いを流している間も、彼女は、期待と後悔が入り混じった、なんとも言えない表情を浮かべたまま無言だった。
「えと……門限とか、決まってます?」
「時間は、ぜんぜん、気にしなくて、だいじょうぶ……です」
「あ、そ、そう……?」
生活圏からは少し離れた遠く、設備のきれいそうなホテルを選ぶつもりで、私は車を走らせ続けた。
「え、ひろい……」
部屋を見たときの第一声はそれだった。
まぁ彼女のような女子◯生がラブホテルの個室を見るのはさすがにはじめてだろう。
上着とマフラーを受けとって私がハンガーにかけているあいだも、彼女は放心したようにドアの前から動かず、部屋の中をぼんやり見つめていた。
私のほうも、何度も女性と付き合い、こんなことは慣れきっているはずなのに、部屋に入った瞬間から、心臓がバクバクと跳ね続けて動悸がおさまらない。
これは、違法な関係の女性とベットをともにする背徳の動揺ではなく、愛し合いたいと切に願っている女性との同衾を目前にしたときの武者震いだろう。
そして私はおもむろに彼女の後ろから抱きつき、その乳房を鷲掴みにした。
「ひゃっ……!?」
はじめて逢ったとき、この豊潤な乳房に恋をしたのに、いつも"逢瀬"のたびに気が狂いそうなほどの劣情をかき立てられてきたというのに、電車の中で彼女を愛し続けるかぎり、この果実に手を触れることは叶わなかった。
私は、半年感のあいだ溜まり続けた欲望をいま全て解き放つように、手早く彼女の制服のボタンをはずし、白い胸をはだけさせた。
彼女は息をはずませながらも、されるがまま、身体を私に預けてくれている。
ブラジャーを剥ぎ取ってしまいたい気持ちを抑えつつ、丁寧にホックを外してやると、淡いサーモンピンクの乳首がつんと立った、こぼれ落ちんばかりの乳房があらわとなった。
「思ったとおり……綺麗な乳首ですねぇ」
「……っ」
まずは味見をするように、乳首をつまんで、くりくり、くりくりとつねってみる。
それだけで彼女は、あっあっとかわいらしい嬌声を上げて腰をくねらせてしまうのだ。
「ずいぶん、敏感なんですね」
「ひゃっ……ひゃい……っ」
このまま余裕ぶって彼女を責められたら良かったのだが、私としても、寝ても覚めてもずうっと夢見続けた欲望の対象を眼前にして大人ぶっていられるような人間ではない。
「こっち、向いて」
そうして彼女と向き合った瞬間、けだものが獲物に飛び掛かるように、彼女の身体を掴んで思いきりその乳首に吸い付く。
「ふぇっ!?……あっ、あっ……ひゃめっ…………ぅえっ……らめですっ……きもちっ……あぁっあああぁっ」
快楽を受信するためだけにあるような大きさの、ぷっくりとした乳首を舐め、舌先で捏ねるたびに彼女は喘ぎ、腰を振るわせ、どんどんと表情を蕩けさせていく。
ベッドに押し倒し、そのまま乳首をねぶり上げ続けながら、スカートの中に手を伸ばしていく。
すると、驚くことに彼女は、朝と同じ露出穴空きタイツを履いていた。
「……もしかして、きょう一日この状態ですごしていたんですか?」
「えっ……いや……が、学校では……さすがにパンツ、履いてましたけど……」
彼女が弁明するような声をあげる。
「でも、電車に乗ってる間は脱いでたんでしょ?」
彼女は顔を真っ赤にして、こくり、と小さくうなづいた。
「ふーん……思ってたより、だいぶ変態な子みたいだな」
私はまた彼女の乳房を貪りはじめ、同時に愛液でドロドロになっている秘部をぐっちゃぐちゃに責めたててやった。
自分が育てあげてきた雌穴を目の当たりにするのは、実ははじめてなのでなんとも満足感がある。充血して、熟れきった果物のように汁を滴らせる膣は、もはや私が与える快楽をひとつも拒むことはできない従順な穴なのだ。
「あふぁっあああぁっひっ……きもちっ……いいっ、おっぱいとっおま……んこっどっちもっ……だめぇっ……だめなのっ……あっあぁっああああっ……っめ……ええええええ」
まずは1回イッてしまったようだ。
私は彼女が絶頂の快感に身をくねらせているのを見やりながらズボンを下ろす。はぁ、はぁ、と息を荒げる彼女の目前に、ゆっくりと私の勃起したそれを差し出した。
「これ……おに、おにいさんの……」
息を呑み、催眠にかかったかのように視線を陰茎だけに集中させている。
なんて物欲しそうな表情をするのだろう。
「おっぱいで挟んでほしいんだけど」
「は、はい……!」
彼女の膣からとめどなく溢れ続けている愛液をたっぷりすくってローションの代わりとし、開いた谷間に塗りつけると、濃厚なメスの臭いがたちのぼり、射精欲を刺激される。
たっぷりした乳房に包み込まれると、陰茎はどこにも見えなくなってしまう。
テクニックなどあるはずもない、たどたどしい手つきでしごかれているにも関わらず、今まで体験したことのない圧倒的な乳圧でのパイズリは、なにも考えられない程に気持ちがいい。
「おにいさんの……お、お……おちん、ちん……おっきくて……すごく……熱いです……」
「あの……きもちいい、ですか……?」
心配するかのように聞いてくる声音がどうしようもなく愛おしい。
「あ、う……うん、すっげ……良いよっ……」
はじめのうちは彼女を警戒させないよう、敬語を使うだけの理性があったというのに。
お返しでパイズリ中の彼女の乳首をつねり上げてやると、乳房を押さえつける腕が力んでしまうのか、まるで膣が陰茎をギュウウと締め上げる動きと同じような刺激が生まれる。
こんなドスケベな身体をしていると、乳まんこですら名器になるんだな。
「ひぁっあぁっ……だ、だぁめですよぉ……ちくびっいじられたらっ……変な力はいっちゃ……ぁあっ」
ギリギリと陰茎を締め上げられ、精液がどくどくとのぼってくるのがわかる。
乳首責めに嬌声を上げ続けながらも健気にパイズリを続ける彼女が、乳首イキでとびきりの声を上げたのとほとんど同時に、私も精を吐き出した。
ピッタリと合わされた乳房の肉は、精液を隙間から1滴もこぼすことはなく、私の欲望はすべて、びゅるびゅると音を立てて乳房の間に流し込まれた。
「せーえき……すごい……熱……い……」
上の空でそう呻きながら、彼女はなんと、私がお願いするまでもなく、みずから、乳房を汚している精液を舐め取りはじめた。
「ふっ……本当に変態でおりこうさんな子だね」
私は彼女を抱き寄せながら、その頭を撫でた。
「……へへ……ありがとうございます……」
「ね、今更だけどさ……名前、なんていうの?」
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