無名さん、ありがとうございます。
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恨めしい気持ちで矢野先輩とその男の後ろ姿を凝視していると、何か様子がおかしい事に気づく。
男の右肩が小刻みに動いているように見え、それに合わせ矢野先輩が後ろを気にするようなしぐさを見せる。
その当時、まだ「痴漢」という行為や存在をそこまで知らなかったぼく。
(あれ?矢野先輩どうしたんだろう?)
そう思っていると、今度は矢野先輩の左肩が一瞬動き、何かを払うような動きをする。益々、謎が深まっていく。と、その時、ゴトンと電車が揺れ、後ろから押されたぼくの視界にとんでもない光景が…
何と、矢野先輩のお尻の辺りを男の手が撫でている。
その手を妨げるように抵抗する矢野先輩の左手。
(!!!?)
信じられない光景を目にし、ただびっくりする事しか出来なかった。が、次の瞬間、矢野先輩の気の強さを窺わせる場面に移っていく。
それは、矢野先輩が男の手の甲をつねり、抵抗を試みたのだ。
(さすがは矢野先輩!こんな男を許さないだろうな!)
なぜか嬉しい気分になり、その様子を一喜一憂しながら傍観するぼく。
だが、思わぬ反抗をされ、さぞ面食らったであろう男の表情は少し苦笑いしているように見え、その表情は「無駄な抵抗だよ」と言っているようだった。
そして、一旦は引っ込めた手を再度、矢野先輩の臀部へ持っていくと、短い制服のスカートの襞を掴み、をするすると捲りあげてしまう。
ぼくの視界には、憧れの矢野先輩の白い太腿が飛び込んでくる。
(おいおい!嘘だろ!?)
電車内で目にした、非日常的な風景はぼくの目を釘付けにさせた…
つづく
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