最初にさやかを電車で見つけたのは、ゴールデンウィーク前だった。
オレは顔と名前を覚えるのが遅いほうだったが、清楚そうな顔をして、
エロい体をしているクラスメイトは、初日の自己紹介で確実にインプットされていた。
濃紺のブレザーと緑系のチェックのスカートに身を包んださやかは、
ドアひとつ離れたところから見てもその胸と尻の隆起が目立っている。
(この電車に乗れば、宮前と登校できるのか…)
このときのオレは、痴漢はおろか、話しかけることすら適わなかった。
5月の連休が明けた週のことだった。オレは、満員電車の他の乗客に押され、さやかの後ろになった。
オレは幸運に感謝した。これを機に話しかけよう!そう思った。
「宮…」
そう話しかけようとしたとき、ある異変に気づいた。さやかは僅かに俯いて目を瞑り、顔を少し上気させていた。
そして時折見せる何かを堪える顔。オレの左隣のオヤジが、気持ち悪い笑いを見せながらさやかのスカートの中に
手を入れていた。このときは、自分が触ることよりも自分の中でアイドル視されているさやかが触られていることに
激しい嫌悪感と憤りを覚えた。
オレはオヤジを睨みつけた。オヤジもオレの視線に気付いて睨み返してきたが、
制服でオレとさやかが同じ高校だと察してからか、悔しそうな顔をしてスカートから手を抜いた。
オヤジはそのまま次の駅で降りていったのだが、オレは見逃さなかった。
さやかが、オヤジが手を抜いた瞬間、物欲しそうな目で振り返ったのを。
オレはその目がDはありそうなその胸よりも、綺麗に丸みを帯びたその尻よりも、
何よりエロいことを知った。そしてオレの中で何かスイッチが入った。
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