それから数日経った日曜日、季節は初夏で暑かった日の事だった。
近所に広場があった。
広場と言っても公園では無い。
ただ地面が剥き出しのただの広場だった。
平日には老人たちがゲートボールをしたり、夏休みには盆踊りなどが催されていた。
その広場が近所の子供達の遊び場だった。
広場の隣には、膝くらいまでの草が生い茂った空き地があった。
そこの空き地の持ち主の物なのか分からないが、コンクリートブロックが無造作に積み重ねられて山になっていた。
さらにその先には果樹園が広がっていた。
その日、俺も含めた近所の子供達がその広場に集まっていた。
誰が声をかけるわけでもなく、天気の良い日は自然と子供達が集まってきた。
その時はもちろん若林さんも混じっていた。
木の影で若林さんは女の子達とおしゃべりをしていた。
俺達男子は、遠巻きに若林さん達を眺めて相談していた。
男子「どうする?あいつらにも声かける?」
別の男子「でも女入れてもつまんなくねぇかな。」
男子「でも人数多い方が楽しくねぇかなぁ?」
その日、俺を含めた男子達は暑いから水鉄砲を買って遊ぼうとしていた。
俺の中の誰かが若林さん達に声をかけた。
そして若林さん達女子も含めて、近所の八百屋へ水鉄砲を買いに行った。
八百屋と言っても、少しくらいのオモチャが売っていた。
夏には水鉄砲や花火も売っていた。
俺達が手に取ったのは100円で買えるショボい水鉄砲だった。
俺達はその水鉄砲を買い、広場に戻った。
広場の片隅にある水道で順々に水鉄砲に水を入れていった。
そしてゲームスタートの合図は、いきなり誰かが水鉄砲を発射し「冷てえ!」と叫んで始まった。
俺も若林さんも、誰でも良いから水鉄砲を掛け合っていた。
みんなでキャッキャと笑い声を上げながら、追いかけ回していた。
広場から外れ空き地へ行く者は「ジャングル戦」と言いながら背の高い草むらに身を隠し、空き地に積まれたコンクリートブロック越しに「市街戦」と言いながら水鉄砲を撃ち合っている者。
いつのまにか全員がビショビショになっていた。
あの若林さんのTシャツもビショビショになっていた。
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