その日、彼女の口から出た言葉は、俺の計画自体を変えてしまうものだった。
「今度ね…お母さん再婚するから…引っ越さなきゃなんです…」
俺は動きが止まってしまった。
想定外だった。彼女に彼氏ができたりすることは、ある程度想定いていたが、予定もしない状況に困惑してしまった。
なんとか平静を装い、
「そ、そうなの…さみしくなるなぁ。いつ頃なの?」
「夏休みには引っ越すみたいで…」
なんてことだ。俺に残されてる猶予は3カ月くらいしかない。
計画の達成には全く間に合わない。
どうしようか、考えようにも焦るばかりで頭がまわらない。
「あの…お金…」
彼女の口から出た言葉にハッとした。
「約束の半分も来てないし…このままにしたらダメだから…でもどうしたら…」
俺ならそのまま、ドサクサに紛れてチャラにしてしまうのだろうが、さすがに根が真面目なのだろう、俺が払ったように見せかけた大金の事を気にしている。
もったいないくらいできた娘だ。
「う〜ん、ちょっと考えとくよ。でも、あんまり心配しないでね。」
そう言うと彼女は少し安心したようだ。
「新しいお父さんと会ったの?」
「うん…」
彼女はまだ浮かない顔のままだ。
新しい父親ができることに戸惑いがあるのだろう。父親がいつ頃からいないのか分からないが、幼少期に新しい父親ができるよりも、思春期の彼女にはもっと複雑な思いがあるのだろう。
「ちゃんとした人なら大丈夫だよ。乙葉ちゃんはしっかりしてるから。新しいお父さんもかわいがってくれるだろうな。」
「そんな…急に、お父さん、なんて言えないもん…」
そうだろうな…でも受け入れるしかないんだ。
「おじさんがさ…」
俺は、えっ?、と聞き返した。
「…おじさんが…お母さんと一緒になればいいのに…」
彼女の言葉に困惑した。それが意図するのはどういう事なんだ?…
前にも言ったが、俺とあまり歳が変わらないような母親は全く興味ない。
一緒になればいい…俺が父親ならいいのか?…いや…俺とまだ一緒にいたい、ということか?…
その日の夜は、ずっと彼女の言葉、その意味を考えていた。
それよりも…計画を変更する必要があった。それもかなりひっ迫している。
家に来るのは、今まで平均して月に3回くらい、長い休みや試験があるともっと減るだろう。
時間がない。引っ越先は新しい父親の家らしいが隣町らしい。
父親の仕事先に学校があるらしいので、卒業するまでは父親、もしくは母親が送迎するようだ。
という事は、引っ越してしまえば、また俺のところに来ることはできない。
考え方を変えるしかない…
初めて彼女を見た時は、以前2階に住んでた娘を犯した時のようにしようと考えていた。だが、何度も俺の部屋で一緒に過ごして、彼女の純粋さ、素直で無垢なところ、何よりも本来隠し持っている淫靡に…惚れてしまったのだろう。
やはり…最初の計画に戻すしかないだろう
最初の計画に戻すと思いながらも、彼女が来ても実行はしなかった。もう少し肥やしが必要だ、と思ったからだ。
正直なところ、なぜそう思ったのか覚えていない。ある日、彼女が来た時には、またAVを見せた。今回は女子高生が変質者に監禁されて犯され、担任の先生と絡む、そう言う内容だった。
今の俺と彼女、中年男性と女子学生という同じシチュエーションで、その男に犯される、もしくは同意の上、禁断の恋に落ちると言う内容、それを見せて、彼女がどう反応するのか見てみたかったからだ。
彼女は以前AVを見せた時よりも、目を逸らす事が多かったような気がする。
女優の設定が同じ女子学生ということで、自分と重ねていたからかもしれない。
もしくは、登場する中年男性を俺と重ねたのかもしれない。
「乙葉ちゃん、今日のキツかったかな?」彼女は首を振って否定したが、表情から無理をしてるのは見て取れた。
「部屋に閉じ込められるのとか…やめても良かったんだけど…」
俺がそう言うと
「おじさんはさ…女子高生くらいの女の子、興味ある?」
何言ってんだ、この娘…
「えっ、なんでそんな事聞くの?」
「ん~、なんか…」
「正直に言うよ。おじさん、若い女の子は好きだけどね、おじさんくらいの人がそれやっちゃうと犯罪だからね。」
もう犯罪は犯しているのに、そう言って取り繕った。
「犯罪だよね…難しいね…笑」
そう彼女が言った。
この頃の彼女の言動には振り回される事が多くなった。
今日だってそうだ。今言ったこと、それは何を意味するのだろう。
中年と女子学生の恋は難しい、そう言う意味か?
俺が中年、彼女が女子学生、その恋は難しい、そう言う意味で言ったのか?
また振り回されてる。
なぜか俺はイライラしてきた。
彼女にも、彼女が言ったことにでもない。
どうしたらいいのかわからないこの状況、この自分の気持ちにイライラしていた。
そして
次の休みの日、俺は以前通っていた心療内科に向かった。
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