「あっゴメン」と謝ると「別にいいよ。私パパの事よく覚えてないし。それよりどっか連れてってよ」と言った。「どっかって?」と聞くと「お兄さんの家とか海とか」と言った。「て言うか送ってってやるから家に帰りなよ」と言うと「今日家にママの彼氏が来てるから帰れないし」と言った。「じゃあ友達の家とかは?」と聞くと「一番仲のいい友達は、田舎のおばあちゃん家に行くって言ってたし。私こんなだから友達少ないし」と言った。「他の子は?」とまた聞くと「無理だって断られた」と悲しげに言った。「他にアテはないの?」と聞くと「あればとっくに行ってるし。ないからお兄さんに言ってんの」と言った。「そっか。でも何で俺?」と聞くと「他にも泊めてくれそうな人いたけど、変なバイク乗ってるヤバそうな人だったり、彼女いるっぽかったし。そこに来たのがお兄さんだったの。お兄さんボッチっぽかったし」と言った。「ボッチは余計だよ。まぁボッチだけど」と言うと「あははっやっぱり」と笑った。その時花蓮のお腹が大音量でグ~っと鳴った。「凄ぇ音。腹減ってんの?」と聞くと「夕飯食べてないから。おこづかい貰い忘れてお金全然ないし」と言った。「しょうがねぇなぁ。ここで君を連れて行ったら、俺誘拐犯になっちゃうんだけど、君をこのままにして置けないし、ヤバい奴に連れてかれてニュースになったら寝覚め悪いから、今日だけだぞ?」と言うと花蓮は嬉しそうに「本当?ヤッタぁ」と言った。俺達は車に乗り同じ国道沿いの牛丼屋のドライブスルーで、夕飯を買って俺のアパートに向かった。アパートにつく前に近くのコンビニに寄り、花蓮の着替えを買った。
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